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NAVER WEBTOONは、独自のユーザーモデリングデータを活用し、カスタマーエンゲージメント施策と連携させることで、ユーザーのリテンションとLTV(顧客生涯価値)の向上を目指しました。
Brazeと自社のユーザーモデリングデータを連携することで、NAVER WEBTOONは、離脱リスクのあるユーザーや購入見込みの高いユーザーなど、異なるコホートごとにパーソナライズしたメッセージ配信を実現しました。
機械学習を活用したCRM戦略により、NAVER WEBTOONはリテンション・LTV・業務効率の向上を実現しました。
10分で自動同期したユーザー
ワークフローの効率化により削減した業務時間(月間)
NAVER WEBTOONは、世界最大級のストーリーテリングプラットフォームを展開するグローバルエンターテインメント企業、WEBTOON Entertainment Inc.の一員です。WEBTOONは世界中で爆発的な人気を集めており、コミッククリエイターのスーパースターを次々と生み出しています。
同社のコンテンツはグローバルエンタメ業界における貴重なIPソースにもなっており、米国のWattpad WEBTOON Studiosや韓国のStudio Nの2つのスタジオは、Netflix、Disney+、Prime Video、Crunchyrollなどのグローバルストリーミングサービスでヒット作品を次々と生み出しており、韓国およびアジア市場向けのローカルプロジェクトも手掛けています。
NAVER WEBTOONは、機械学習を活用した予測モデルを通じて、ユーザーの重要なタッチポイントでのメッセージをパーソナライズしています。
たとえば、「あなたにぴったり!(알아서 딱!)」といった機能は、同社独自のユーザーモデリングデータにより実現されており、閲覧数を増加させジャンルの幅を広げ、読者のエンゲージメントや購入促進につながりました。
この成功をもとに、NAVER WEBTOONはこうしたモデリングデータの活用範囲をアプリ内の機能だけでなく、カスタマーエンゲージメント領域にも拡張。社内のコホートシステムが生み出す以下の2種類の主要なデータセットをBrazeにシームレスに統合しました:
1.ユーザーモデリングデータ
2.レコメンデーションモデリングデータ
NAVER WEBTOONのユーザーモデリングデータは、同社のターゲティングCRM戦略の中核を担っています。このデータは、訪問頻度、閲覧回数、購入履歴、エンゲージメント率などのさまざまな指標と、機械学習による予測分析を組み合わせて生成され、より高度にセグメント化されたユーザーグループの形成に活用されています。
1.ビューア離脱予測:特定のコミックの閲覧をやめそうなユーザーを予測し、パーソナライズされたレコメンドでフォロー。
2.離脱リスク:コミックの閲覧自体をやめ、プラットフォームから完全に離脱しそうなユーザーを特定。
3.再アクティブ化の可能性:一時的に離脱したが、適切なコンテンツ訴求で復帰が見込める非アクティブユーザーを抽出。
4.アプリ内通貨の利用傾向:一定期間内の支出額を予測し、アップセルの可能性が高いユーザーをターゲティング。
5.リワード広告のエンゲージメント傾向:過去4週間のリワード広告の利用状況から、今後14日以内にリワード広告から離脱しそうなユーザーを特定。
NAVER WEBTOONは、従来のキャンペーン終了後の分析型アプローチから、予測モデルを活用した先回り型のCRM施策へとシフトしました。この戦略をさらに強化するため、同社は独自のユーザーモデリングデータとBrazeを連携。これにより、より精緻かつ効率的なターゲティングが可能になりました。
「機械学習を活用したCRM施策は、ユーザーの継続率やLTVを大きく向上させています。A/Bテストでも、独自のユーザーモデルに基づくターゲティングは、CTR、閲覧数、購入数などあらゆる指標で従来施策を上回る結果が出ています。これを受けて、今後さらに多くの機能へのモデル展開と、より細かなカスタムモデルの開発を進めています。」
— マーケティング&広告インテリジェンスチーム
NAVER WEBTOONは、Brazeを通じてCRMキャンペーンにユーザーモデリングデータを活用するための効率的なデータパイプラインを構築。これにより、豊富なユーザーデータを用いたパーソナライズドな施策をスムーズに実施できるようになりました。
Amazon RedshiftからBrazeへ、CDIを通じてデータが送信される。
「Braze CDIによるCRM業務の自動化で、月間640時間の作業時間を削減しました。新たなワークフローでは、最大500万件のユーザーデータをワンクリック、わずか10分でBrazeと同期できます。」
— マーケティング&広告インテリジェンスチーム
NAVER WEBTOONでは、各ユーザーが所属するさまざまなコホートを組み合わせ、マルチディメンショナル配列(多次元配列)形式でデータを保存。これにより、ユーザーを柔軟かつ動的に分類することが可能になります。
このアプローチにより、ユーザーの多様な属性や行動に基づくセグメンテーションが実現し、よりターゲティング精度の高いエンゲージメント施策の展開が可能となりました。NAVER WEBTOONは、こうした細やかな施策を通じて、より良いユーザー体験の提供を目指しています。
「私たちはスケーラビリティ(拡張性)を重視して、さまざまな予測モデルをBrazeに統合してきました。これにより、新たに開発したML(機械学習)ベースの予測モデルも、柔軟かつ迅速にCRM施策へ取り入れられます。最近では、リワード広告の離脱予測モデルもBrazeへ組み込みました。初期段階からスケーラブルな設計を意識してきたからこそ、変化するマーケティングのニーズにもスピーディーに対応できています。」
― マーケティング&広告インテリジェンスチーム
1.スケーラブルなデータ連携:自社で構築した予測モデルを、Brazeのクラウドデータ取り込み機能とシームレスに統合。これにより、アジャイルかつ柔軟なCRM施策の展開を実現。
2.ワークフローの効率化:Braze CDIを通じたコホート同期の自動化により、月間で640時間分の作業を削減。チームはより戦略的な業務にリソースを集中できるように。
NAVER WEBTOONは、韓国におけるBrazeの公式販売代理店であるAB180の導入支援を受けて本ソリューションを活用しています。