2025年11月 Braze Bonfire 今月のマーケター:Andrew Luxem 氏

公開 2025年12月12日/更新 2025年12月12日/7 分で確認

2025年11月 Braze Bonfire 今月のマーケター:Andrew Luxem 氏
作成者
Team Braze

毎月、Brazeでは、Braze Bonfireコミュニティのメンバーによる素晴らしい功績を称え、1名の個人を「今月のマーケター」として選出しています。 仲間のマーケターへのサポート提供や、革新的なアイデアや戦略の共有など、さまざまな形で、これらの個人の方々は、所属企業やユーザー、顧客エンゲージメント全体に多大な貢献をされています。

今月は、Bed Bath & BeyondでCRM担当シニアディレクターを務める Andrew Luxemさんを紹介します。Bed Bath & Beyondは、品質・スタイル・価値を通じて日々の生活をより豊かにする商品と体験で顧客とつながる、eコマースに注力した小売ブランドです。今回、Andrewさんの経歴、Braze活用の経験、そして特に誇りに思うキャンペーンについて話を伺いました。さっそく見ていきましょう。

Andrewさんはどんなキャリアを歩んできたのでしょうか?ですか?

私は約20年間にわたり、Amazon.com、Ancestry.com、Stanley Black & Decker、そして現在の Bed Bath & Beyond、Overstock.com、buybuyBABY など、さまざまなブランドでCRMとライフサイクルマーケティングをリードしてきました。カンザス大学では人類学と古代古典学で文学士号を取得し、人の行動や動機のパターンを読み解く力を養いました。この、人はどのように考え、どう意思決定し、何と結びつくのか という関心が、マーケティングテクノロジーと顧客体験の世界へと私を導いてくれました。

2021年にはユタ大学でExecutive MBAを修了し、データドリブンなリーダーシップと戦略的成長への視点をさらに深めました。現在は、データと共感、そして自動化を組み合わせ、知的でありながら人間らしい顧客体験を設計することに力を注いでいます。

仕事で魅力的に感じるのはどんな時ですか?

複雑な課題をチームが理解して、行動に移せるよう支援するところですね。ライフサイクル戦略の設計、新機能の導入、データの流れの整理など、どのテーマでも、技術的な複雑さをほどき、明瞭な解に仕立てていく瞬間が最高です。パーソナライゼーションとタイミング、そしてストーリーテリングがひとつのキャンペーンとして結晶し、チームに「これだ」と気づきが生まれる瞬間こそが、私を最も突き動かします。創造性と精密さの交差点で、魔法が生まれるように思うのです。

アンドリュー・ラクセム氏の顔写真と日本語の経歴

Brazeを使用してどれくらい経ちましたか?

Brazeは約1年半使用しており、Bed Bath & Beyondだけでなく、 Overstock.com や buybuyBABY など複数プロダクトで運用してきました。年末商戦のピーク時の対応、新規IPウォームアップ、高度なクロスチャネルの自動化の構築など、さまざまなフェーズを経験しました。またAudience Segment ExtensionsやBraze Audience Syncを活用し、ターゲティングと実験、さらにデータ整合性の最適化にも取り組んでいます。

Brazeチームやコミュニティとの経験はどうですか?

Brazeコミュニティは、私が関わってきた中で最もオープンで、協力的なコミュニティの一つです。Forge 2025 で登壇したことはキャリアのハイライトでもあり、インスピレーションと実践が同居する貴重な体験となりました。「From Iteration to Acceleration: Building an Experimentation Culture」と「The Dollars and Cents of Deliverability」の2つのパネルに登壇し、Brazeが創造性・データ・成果の3つを強く結びつけるプラットフォームであると再確認しました。イベントを通し、機能面だけでなく、互いに学び続ける文化そのものがBrazeの魅力ですね。

最近で特に誇りに思っている取り組みは?

この1年で特に印象深いものは、メール配信頻度の最適化施策です。これは、メールエンゲージメントと配信率の向上を目的とした施策で、過剰な配信を避け、価値の高い顧客を優先し、ビジネス目標と整合したメッセージ設計を行いながら、全体の送信ボリュームを健全に保つことを目指しました。

顧客はエンゲージメントレベルによって配信頻度が定義され、高いエンゲージメント層には日次でメッセージを届け、ミドル層には成果の高いキャンペーンのみを厳選して配信し、低アクティブ層には再活性化を目的とした最低限の接触に抑えるように設計しました。

こちらが今回の戦略の全体像です。

まず、エンゲージメントレベルに応じてオーディエンスをセグメントし、それぞれに配信するメッセージの方針を定めました。

エンゲージメントが非常に高いユーザー:直近の行動や購買履歴に基づき、日次でメッセージを配信

中程度のエンゲージメントのユーザー:毎月、成果の高いキャンペーンの中から厳選したもののみを配信

エンゲージメントが低い、または非アクティブなユーザー:配信頻度は最小限に抑え、再アクティブ化を目的とした内容に限定して配信

最上位のエンゲージメント層には毎日の配信を適用し、それ以外の層には週次または月次での配信を行いました。一方で、大型イベントや重要なプロモーションにおいては、必要に応じてこのルールを上書きし、重要なコミュニケーションが確実にユーザーへ届くように調整しました。

過剰配信を防ぐため、日次および週次の配信上限を設定し、あわせてエンゲージメント率の向上を目的に、インテリジェント送信時間最適化

(STO)も導入しました。さらに、ISPごとのスロットリングも実施し、最適な受信箱到達を維持しました。

キャンペーンの効果検証においては、開封率やクリック率といったエンゲージメント指標を綿密に追跡し、加えて、コンバージョン率やメール1通あたりの売上も計測することで、全体の成果を評価しました。あわせて、到達率の健全性やリストの維持状況も継続的にモニタリングし、安定したメール配信の実現に努めました。

実行体制としては、毎月の計画サイクルの中で、キックオフミーティング、オーディエンスの更新、キャンペーンの優先順位付けを行いました。また、デバイスやISPごとの十分なテストを行うための品質保証プロセスも整備しました。すべての配信階層において動的コンテンツのパーソナライズを適用し、ユーザー体験の向上を図るとともに、必要に応じて迅速に対応できる緊急対応用の体制も構築しました。

この戦略の軸は「量ではなく、適切な人に適切な体験を届けること」にあります。各顧客は同時に複数の配信頻度層に属さないようにし、ライフサイクルで重要なトリガーやトランザクション配信を最優先にしました。

また、月次でレビューを重ね改善を続けることで、持続的なROI改善とエンゲージメント向上の両立に成功しました。結果、より適切なメール配信環境と顧客体験が実現し、ブランドとしての関係構築も深まったのです。

顧客エンゲージメントの未来を一緒に築きませんか?Braze Bonfireコミュニティでは、専門家たちとつながり、アイデアを共有し、キャリアを加速させる仲間を募集しています。あなたもこのコラボレーションに参加して、一緒に新しい価値を創り出しましょう。

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