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顧客データを統合し、売上180%向上。Papa Johns のデータドリブンな店舗マーケティング戦略

Papa Johns UKは、顧客の選択肢が増え、どこにお金を使うかより慎重になっている中で、顧客維持戦略の進化が重要であると認識していました。これまで、400以上のフランチャイズ店舗にわたり顧客データを収集してきましたが、複数のレガシーCRMに分散していたため、加盟店がデータにアクセスするのが難しく、ローカルマーケティングに十分活用されていない状況でした。
Brazeへ移行したPapa Johns UKは、分散していた3つのCRMを統合し、カスタムUIを備えた革新的なローカルマーケティングハブ(Brazeを基盤に開発された、店舗専用の集客ツール) を構築しました。この戦略により、加盟店はお気に入り商品、注文頻度、満足度スコア、購買行動などの顧客データやインサイトに簡単にアクセスできるようになりました。
このローカルマーケティングハブにより、SMSキャンペーンによる収益は180%増加し、SMS経由の購入数も170%増加しました。2024年には、このプラットフォームを通じて6,000以上のキャンペーンが実施され、1,300万通のSMSメッセージが配信されました。
PRODUCTS USED
指標による成果
180%
SMS売上(前年比)
18%
コンバージョン率(前年比)
170%
SMS経由の購入数(前年比)
Papa Johns UK は、世界有数のピザデリバリーブランドとしての地位を確立しており、英国全土で400以上のフランチャイズ店舗を展開しています。Papa Johns Internationalの一部として、「より良い原材料、より良いピザ(Better Ingredients, Better Pizza)」の提供に取り組むとともに、各地域の加盟店がコミュニティ内で強固な顧客関係を築けるよう支援しています。
同ブランドの成功は、ロイヤルティとリピート購入を促進する効果的な顧客エンゲージメント戦略に大きく依存しています。しかし、主に事業運営者でありマーケティングの専門家ではない個々の加盟店が顧客データを活用できるようにすることが、ローカルマーケティングの可能性を最大化する上での課題となっていました。
カスタム構築のローカルマーケティングハブで加盟店のマーケティング力を強化
Papa Johns UKは、長年にわたり取引履歴や好み、行動データなどの豊富な顧客データを蓄積してきた一方で、その価値ある情報が、本来最も必要としているローカルの加盟店オーナーやそのチームにほとんど活用されていないことに気づいていました。これは、3つの独立したサイロ化されたCRMシステムが存在し、操作が難しく、顧客を統合的に把握できないことが原因でした。
Papa Johns UKのシニアプロダクトマネージャー(MarTech & ロイヤルティ担当)であるKanchan Lad氏は、この課題を大きなビジネス機会と捉えました。彼女は後にPapa Johns Internationalのテクノロジーチームから権威あるTowering Achievement Awardを、さらにBrazeから2024年のMarketing Leader of the YearとしてTorchie Awardを受賞しています。単なるテクノロジー移行にとどまらず、加盟店がどのように顧客データへアクセスし活用するかを、チームとともに根本から再設計しました。
「ローカルマーケティングハブ」プロジェクトは、限られた予算とリソースの中で、迅速かつ効率的に構想・実行されました。3つのレガシーCRMからBrazeへの移行はわずか5カ月で完了し、その後カスタムインターフェースの開発とリリースが行われました。

新しいプラットフォームは、以下の3つの柱を軸に構築されています。
・使いやすさ:マーケティングの専門知識がないユーザーでもデータを活用できることを重視しています。このツールは、事前に用意されたテンプレート、スケジュール設定、高度なオーディエンスターゲティング機能、レポーティング機能を備えた、4つのシンプルなステップで操作できる設計です。
・顧客体験の向上:このプラットフォームは、2023年に寄せられた顧客の主な不満を解消することで、ブランド体験の改善を図っています。具体的には、深夜や早朝の配信を防ぐ「クワイエットアワー」深夜や早朝のメッセージ送信を防ぐため))」の「サイレントモード」の自動有効化、簡単に配信停止できる仕組み、ユーザーのコミュニケーション設定の高速同期、そしてより関連性が高くパーソナライズされたメッセージの配信などが含まれます。
・データセキュリティとガバナンス:顧客データはプラットフォーム上には保存されず、Snowflakeに保管されたデータがBrazeにストリーミングされて活用されます。高度な分析機能により、データセキュリティを損なうことなく有益なインサイトを得ることができます。また、SMSメッセージの利用量に対して一元管理された制御とガードレールが設けられており、各フランチャイズによる過剰な配信を防ぐ仕組みも備えています。
加盟店によるローカルマーケティングハブの活用方法
Brazeの導入と、新しい店舗専用集客ツール(ローカルマーケティングハブ)に関するトレーニング(ウェビナー、ユーザーガイド、ベストプラクティスの提供を含む)により、加盟店の利用は大きく前進しました。400以上の店舗にわたり120名以上のユーザーがオンボーディングされ、2024年には6,000件以上のキャンペーンを実施、1,300万通のSMSメッセージが配信されました。これにより、Papa Johnsはより戦略的なメッセージ配信が可能となり、広告への依存も軽減しています。現在、加盟店は以下のような活用が可能です。
1. シンプルなデータアクセス
加盟店は、直感的なインターフェースを通じて、価値ある顧客インサイトに簡単にアクセスできます。表示されるデータには、お気に入りのピザ、直近の購入商品、顧客満足度スコア、注文頻度、配送の好み、購入日、郵便番号、取引金額などが含まれます。顧客データは定期的に更新されるため、常に最新かつ関連性の高いターゲティングが可能です。

2. 事前構築テンプレートとキャンペーン作成
このプラットフォームには、すぐに使えるメッセージテンプレートがあります。スポーツイベント(例:欧州サッカー大会)、新メニューの発売、期間限定オファー、天候連動メッセージなど、重要なトレンドに対応したテンプレートも含まれています。これにより、マーケティングの専門知識やクリエイティブ制作の時間がなくても、加盟店は迅速にプロフェッショナルなキャンペーンを展開できます。

3. 高度なオーディエンスターゲティング
使いやすいインターフェースを通じて、顧客の行動、好み、属性に基づいた高度なオーディエンスセグメントを作成できます。複雑なクエリ処理はプラットフォーム側で自動的に行われるため、特定のターゲットへのリーチが容易になります。また、非マーケターでも理解・活用できるよう、分かりやすい言葉で選択肢が提示されます。

4. 顧客体験に関する自動化されたコンプライアンスと安全対策
プラットフォームにはクワイエットアワーが自動的に適用されるほか、サブスクリプション管理機能やコンプライアンス対応ツールが組み込まれており、各フランチャイズがSMS配信のルールを適切に遵守できるよう支援します。

フランチャイズマーケティングの高度化を実現する包括的なレポーティング
ローカルマーケティングハブは、送信数、配信成功数、コンバージョン率、総売上など、詳細なキャンペーン分析をフランチャイズに提供します。これにより、マーケティング投資対効果を明確に可視化でき、フランチャイズは継続的にテスト・学習・最適化を行いながらローカルマーケティングを改善できます。
また、このプラットフォームには、フランチャイズごとのSMS配信量の過剰利用を防ぐためのセーフガードや一元管理機能も備わっており、予算管理にも貢献しています。さらに重要な点として、顧客データはローカルマーケティングハブ自体には保存されないため、Papa Johns UKは高いデータセキュリティとガバナンス基準を維持しています。

Brazeは、私たちにとってお客様にお得な情報を届けるためのとても優れたツールです。インターフェースも使いやすく、キャンペーンも数分で簡単に設定できます。さらに、お客様をセグメントごとに分けて、好みの商品や注文頻度に合わせたターゲティングも可能ですし、各キャンペーンの成果も手軽に分析できます。
Pav Bal
Marketing Director BB Group (Papa Johns UK Franchisee), Papa Johns UK
成果:ローカルマーケティングハブは、コンバージョン・購入・売上などあらゆる指標で期待を上回る成果を達成
このプラットフォームの成功により、フランチャイズマーケティングの有効性における新たな基準が確立され、フランチャイズから顧客に至るまで、すべての関係者にとってより良い体験が実現されました。顧客は、より関連性が高く適切なタイミングのキャンペーンを受け取れるようになり、その結果、Papa Johns UKは以下の成果を達成しています。
- SMS売上:前年比 +180%
- コンバージョン率:前年比 +18%
- SMS経由の購入数:前年比 +170%
従来は、3つの異なるCRMシステムをまたいで実施されていたSMS施策により、関連性に欠ける断片的なキャンペーンが配信され、顧客の不満につながっていました。しかし、顧客データを一元化した新しいアプローチにより、より適切で関連性の高いメッセージ配信が可能になり、その結果、関連する顧客クレームは72%も削減されました。
最終的に、この集客ツールは自己資金で運用可能なプラットフォームとなり、マーケティング全体のコスト削減に繋がりました。
Key Takeaways
顧客起点で設計すること
マーケター担当者でなくても扱えるユーザーフレンドリーなインターフェースによって、これまで扱いづらかった顧客データを活用可能にし、数百のフランチャイズにわたるマーケティングの可能性を引き出しました。
顧客の声を取り入れること
クワイエットアワー(深夜や早朝のメッセージ配信制限時間)、簡単な配信停止、関連性に基づくターゲティングやパーソナライズといった機能の導入が、ビジネス成果と顧客満足度の向上につながりました。
テクノロジーを統合すること
3つの分断されたCRMからBrazeへの移行により、業務効率が向上し、新たな機能活用が可能になりました。統合はイノベーションの基盤となると同時に、現場の複雑さも軽減しています。


