公開 2025年9月01日/更新 2025年9月01日/11 分で確認
リピート率はリピーター率と混同されやすい用語ですが、両者を取り違えると少なからず損失に繋がる恐れもあり、正しい理解が欠かせません。
この記事で、リピート率の意味や計算式、リピーター率との違い、低下の原因となる要素、向上のポイントや注意点などを確認していきましょう。
リピート率とは、新規顧客がどれだけの割合で商品を再購入しているかを表す指標です。数値が高ければ高いほど再購入していることを意味します。計算式も意味も単純ですが、自社ビジネスの舵取りにおいて重要な役割を担います。
例えばリピート率が低い場合、そこには顧客が再購入に至らない理由が存在します。どんな商品やサービスでも新規顧客の拡大がいずれ頭打ちとなることを想定すれば、リピート率が低い原因の特定と早期の対応は必須の取り組みとなります。
一方、リピート率が高い場合、マーケティング施策の注力により認知度を高めることで爆発的なヒットに繋がる可能性もあるでしょう。
このようにリピート率は、今後どのように施策を進めていくべきかを判断する指針として重宝します。
リピート率の計算式は以下の通りです。
リピート率(%)=期間内に再購入した新規顧客数÷期間内の新規顧客数×100%
例えば、1年間を基準として、期間内の新規顧客数が2万人、そのうち再購入をしてくれた方が5千人だとすると、リピート率は「5,000÷20,000×100=25%」となります。
リピート率と混同されやすい指標にリピーター率があります。リピーター率は、顧客全体のどの程度の方が再購入をしているのか(リピーターなのか)を意味します。計算式は以下の通りです。
リピーター率(%)=期間内に再購入した顧客数÷期間内の全顧客数×100%
両者の違いは数値が高い場合の捉え方にあります。
商品が再購入される割合であるリピート率は、数値が高ければ高いほど優れています。一方、顧客内の再購入者の割合を指すリピーター率は、高いほど良いとはいえません。極端に数値が高い場合、新規顧客が獲得できていない(少数の常連客のみが残っている)可能性も考えられるためです。
では、リピート率を高めることの重要性を深掘りしていきましょう。
マーケティングの世界でよく語られる1:5の法則が示す通り、新規顧客からの売り上げの獲得には、自社や自社商品の魅力をゼロから認知してもらう費用がかかるため、既存顧客からの売上獲得より5倍もの大きなコストがかかるといわれます。
つまり、リピート率を高めることはマーケティングコストを削減することに繋がります。
リピート率の向上は、売り上げの拡大や安定化にも寄与します。自社の固定ファンとなった顧客の定期的な購買により、安定した売り上げが期待できます。
また、リピート購入を通じて自社に信頼や愛着を抱いたファンが周囲に良い口コミを広めてくれることもあり、新規顧客の獲得にも結びつきます。
リピート率の向上を目指す過程では、顧客満足度の正確な理解も進められます。例えばアンケートで「良い商品」と評価されたとしても、再購入が行われないのであれば、そこには何かしらの本音が隠れている可能性があります。
一方、リピート率を指針とすれば、表面的な計測ではなく「本当にもう一度購入したいほどに魅力的なのか」が把握できます。
リピート率が低下してしまう原因は、大きく以下の4つに分けられます。
まず疑うべきは、商品やサービスの魅力不足です。「必要な機能がない」「思っていたほど良くなかった」「前に使っていた製品のほうが良かった」など、顧客の期待に応えられなかった場合、リピート率は低下します。
商品やサービスの魅力は十分であるものの、値段が高額で再購入が難しいためリピート率が低下するケースもあります。「良い商品だけど、この値段を出すほどではない」「ぜひもう一度購入したいが家計を考えると厳しい」といったパターンです。
見落としがちな原因として、顧客とのコミュニケーション(例:「お困りごとはありませんか?」「もう一度利用してみませんか?」などとお尋ねするメール)が不足している可能性も挙げられます。
質や価格に特段の不満がなくても、記憶に強く残るほどの顧客体験でなければ、そのまま忘れ去られてしまうことは珍しくありません。
リピーターを獲得するための施策が少なく再購入の後押しができていないことも、リピート率の低下の原因となります。仮に競合と同等程度の魅力の商品だと判断され、他社には購入するほどおトクになる会員プログラムがあった場合、当然ながら顧客を失ってしまうでしょう。
では、リピート率を向上させるためにはどうしたら良いのか、そのポイントと注意点を見ていきましょう。
購入者に対するアフターケア・アフターフォローの体勢を整えることは、継続的な利用を勝ち取るためにきわめて重要です。
相談しやすく返答が早いお問い合わせ窓口の充実、チュートリアル動画の公開、おトクな使い方のメルマガ配信などのサポート体制を整えましょう。
自社と顧客のコミュニケーションの強化には、商品が忘れられてしまうリスクを減らし、信頼関係や愛着を育んでいく効果があります。
メールや電話で定期的に連絡を行う、アプリ内メッセージを送信する、SNSでカジュアルなコミュニケーションを取るなどの方法が考えられます。
リピーター向け特典の存在は、再購入に踏み切る重要な一押しとなります。特に、購入代金代わりに利用できるポイントの付与は、価格を理由とする離反への対策としても有効です。代表的な特典の例には以下が挙げられます。
リピーター特典に関連して、自社独自の会員制度や紹介制度を導入するのもおすすめです。
購入回数や招待数が上位の会員に対し、会員限定のイベントに招待する、ポイントの還元率を上げる、特別な冊子や試供品を送るなどの魅力的な特典を用意すれば、再購入への強い動機となります。
以前は顧客であったが自社から離れてしまった休眠顧客へのアプローチも、リピート率の向上に有効です。
休眠顧客は、一度は自社に興味を抱いたものの何かしらの理由があって離れている顧客です。課題を解決し期待に応えることができれば、優良顧客に成長してくれる可能性もあります。
休眠顧客の重要性や掘り起こしの方法については以下の記事をご覧ください。
>>休眠顧客とは?アプローチするメリットや方法、ポイントについて徹底解説
前述の通り、リピート率は顧客満足度の正しい理解に有効です。しかし、例外として「代わりの製品がないから仕方なく買っている」という消極的な再購入の理由も存在します。リピート率だけでなく、顧客満足度も併用して指標とすることで、商品の現状把握と改善を進められます。
リピート率の向上に向けた第一歩には、ぜひ「Braze」の導入をご検討ください。
Brazeは、マーケターが頭のなかに描いた施策を複雑な操作なしで実現する顧客エンゲージメントプラットフォームです。「2週間利用がない顧客にプッシュ通知で割引クーポンを届けられたら」「初回の購入から48時間後に使い方動画をメールで送信できたら」といった願いを、プログラミングの知識不要で叶えられます。
例えば、余暇に遊びたい方と遊び先の施設をマッチングするアソビュー株式会社では、お出かけスポットに近づいた方に最適なアプローチを提供する手段としてBrazeを導入しました。
「適切なときに適切な内容を適切な方法で伝える」というマーケティングの理想を実践した結果、7ヵ月間でメールの送信数は5億6,376万通に到達し、開封率は40%を維持するなど、顧客とのコミュニケーションの強化に成功しています。
>>アソビュー(旅行およびホスピタリティ業界)が、Braze導入でマーケターの負担を軽減し、顧客起点のマーケティングでリピート率向上
リピート率は新規顧客がどれだけ再購入をしているかを測る指標であり、顧客から見た製品の魅力の把握に役立ちます。リピート率を高めれば、収益の拡大や安定化が期待できるなど、シンプルながら奥深い指標です。ご紹介したポイントと注意点を参考に、自社ビジネスに適した形でのリピート率の向上策を検討してみましょう。
万が一、自社単独での施策に難しさを感じた場合には、以下のリンクよりぜひBrazeにお問い合わせください。
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