ビジネストランスレーターとは?必要なスキルや知識、育成ポイントを紹介
公開 2025年1月06日/更新 2025年1月06日/8 分で確認


Team Braze
社内でのデータの利活用が進まない場合、IT系部門とビジネス系部門の意思疎通に問題があるケースが考えられます。このような部門間の溝を解消し、自社の業務効率の改善を実現してくれる役割を果たすのが、ビジネストランスレーターです。
この記事では、ビジネストランスレーターについて、役割や求められる背景、必要なスキルと知識、社内育成のポイントなどをご紹介します。
1. ビジネストランスレーターとは
ビジネストランスレーターとは、データサイエンティストに代表される技術系・IT系の部門とマーケターや営業といった現場系・ビジネス系部門との橋渡しを行う職種です。
両部門の言い分をお互いの理解しやすい形に翻訳(Translate)する役割からこの名が付けられました。
2. ビジネストランスレーターが求められるようになった背景
ビジネストランスレーターが求められる背景には、IT・AI・データ活用といった専門技術の重要性が増していることが挙げられます。
「マーケティングに役立つデータをIT部門が出さない」「せっかく出したデータを営業が使わない」など、IT系部門とビジネス系部門の摩擦は、企業を問わずよくある課題です。相手の業務に対して知識がなく、お互いの実情や意図を把握できないことから、両部門はどうしても認識のズレや不平不満が生じやすい傾向にあります。
しかしながら、データドリブン経営の重要性やAI技術の進化などが注目される昨今では、このような対立の放置が自社に大きな不利益を招く恐れがあります。そこで、双方の意見に耳を傾けて対立を解消し、データの利活用を円滑に進めるための調整役として、ビジネストランスレーターの価値が注目されているのです。
3. ビジネストランスレーターに必要とされるスキルや知識
ビジネストランスレーターには、IT系部門とビジネス系部門の双方の業務を理解できるだけの高度なスキルや知識が求められます。具体的に必要なスキルや知識を見ていきましょう。
3.1. マネジメントスキル
ビジネストランスレーターが主導的に役割を果たすためには、マネジメントスキルが重要となります。
IT系部門とビジネス系部門の両方の意見を聞き入れ、それぞれが取り組むべき作業や適切な目標・期限を設定してあげることで、「営業が何のデータを必要としているのかわからない」「IT部門が出してきたデータの意味や活用方法がわからない」といった対立を減らせます。
3.2. コミュニケーションスキル
翻訳者の名前を持つビジネストランスレーターにとって、コミュニケーションスキルは生命線ともいえるほど大切です。
ここでいうコミュニケーションスキルとは、愛想よく挨拶をするようなことだけではなく、ファシリテーション(集団の会議やミーティング、問題解決を円滑に進めさせる技法)に代表される高度な技術までを含みます。
3.3. 状況把握能力・言語化能力
対話により部門間の摩擦を解消するためには、まずはビジネストランスレーター自身が両部門の状況を正確に把握しなければいけません。本質を捉えたうえで、その内容を噛み砕き説明する必要があります。
技術者には技術者向けに、現場の担当者には現場向けにと、それぞれに適切な表現を選択できるだけの高度な言語化能力が求められます。
3.4. データサイエンスや分析ツールの基礎知識
状況の把握に際しては、ビジネストランスレーターが自らデータを確認し、その内容を大まかに理解しなければならない状況もあります。
少なくとも、提出された分析結果の意図するところや課題を理解できるだけのデータサイエンスやツールの基礎知識は必要となるでしょう。
3.5. IT関連の知識
知識が必要なのはデータ分野に限らず、IT分野も同様です。基本的なITリテラシーや社内ツールの操作方法はもちろん、クラウド、AWS、API、ChatGPTなど、自社業務で頻出する用語の意味は一通り理解しておくことが求められます。
- クラウド:インターネット上でサービスを利用する仕組み
- AWS:Amazon Web Services。代表的なクラウドサービス
- API:Application Programming Interface。ソフトウェア同士をつなぐもの
- ChatGPT:OpenAI社が提供するAIチャットボット
3.6. ビジネスや経営に関する知識
ビジネスや経営面に関しても、ビジネストランスレーターは一定の知識を所有しておくことが求められます。データサイエンスやIT関連の知識のみでは技術者寄りの視点となり、部門間の橋渡しがうまくできない可能性があるからです。
ビジネス面に関して必要な知識は多岐に渡りますが、少なくとも以下は押さえておくべきでしょう。
- 自社の中長期的な経営戦略・ビジョン
- 自社の短期的な重点目標
- 営業担当・マーケターが抱える現在の課題感
- 自社の所属する業界特有の慣習・文化
4. ビジネストランスレーターになるため・育成するためのポイント
では、自分がビジネストランスレーターになるため、あるいは社内でビジネストランスレーターを育成するためには、どのようなポイントが重要となるのでしょうか。
4.1. 5Dフレームワークを理解する
5Dフレームワークとは、データサイエンティストの木田浩理氏が著書の中で提唱した、以下の5つのDからデータ分析を進める方法論です。
- Demand:分析の要望・要求を聞く
- Design:分析の全体像を検討する、要件定義する
- Data:分析に必要なデータを集め、整える
- Develop: 適切な手法を選択して分析する
- Deploy:適切な説明で結果を現場に展開する
最初に現場サイドからの要望をヒアリングし、そこから分析の目的・全体像を設定することで、部門間の認識のズレをなくしているのがポイントです。
5Dフレームワークは原則、上記の順番通りに実施する必要があります。「この顧客情報が手元にあるから(Data)」「この手法が流行っているから(Develop)」などと順番を変えてしまうと、バイアスにより正確な分析ができなくなります。
4.2. データサイエンティスト養成講座を受講する
基礎的な統計・ITの知識を一挙に習得する方法として、データサイエンティスト養成講座を受講する手もあります。
良質な講座を選択することで、ロジカルシンキングの理解から、SQLやPythonといったデータベース言語・プログラミング言語の取得まで、網羅的に学習できます。
4.3. 定期的に意見交換を行う
社内でビジネストランスレーターを育成する場合においては、IT系部門とビジネス系部門それぞれの担当者を招いた定期的な意見交換会の実施も重要です。
両者の生の声に耳を傾けることで机上の空論を回避し、実情を見据えた舵取りができるビジネストランスレーターに成長できます。
4.4. 継続的に学び続けられる環境が必要
ビジネストランスレーターは、最新の技術的・業界的トレンドの把握も欠かせない、流行に強いことが求められる職種です。特に昨今は、AI技術の進化により目まぐるしい速度でビジネス環境が変化しています。
企業であれば社員が自ら学びを得やすくなるよう福利厚生を充実させる、志望者であれば通信講座やメルマガを申し込んで最新情報をキャッチアップするなど、学習を継続できる環境を整えていきましょう。
5. まとめ
ビジネストランスレーターは、データを取扱うIT系部門と現場のビジネス系部門のコミュニケーションを手助けする職種です。IT技術の革新はこの世に新たな職種を多く生み出してきましたが、そのなかでもビジネストランスレーターは、ITやビジネスの知識を活かして新たなフィールドで活躍できる、非常に魅力的な職種といえるでしょう。
多くの業界でデータの利活用の重要性が指摘されるなか、今後ますます存在感が増していくはずです。
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