公開 2025年7月10日/更新 2025年7月10日/16 分で確認
モバイルアプリの成功は、ダウンロード数だけではありません。ユーザーを成長させて維持するには、何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのか、そしてどこを最適化すべきかを継続的に把握することが重要です。しかし、利用可能なモバイルアプリの指標が非常に多いため、その膨大なデータに圧倒され、どの指標がビジネスにとって優先するべきなのかを見極めるのが難しく、時間も労力もかかります。だからこそ、適切なモバイルアプリケーションのKPIに集中することが、成果を生み出す戦略を構築する鍵となります。
このガイドでは、DAU(デイリーアクティブユーザー)や離脱率、プッシュ通知の許可率、セッションの長さまで、追跡すべきモバイルアプリケーションKPIトップ10を解説します。それぞれの指標の意味や、エンゲージメント戦略との結びつけ方、そしてBrazeを使って数字を成果に変える方法もご紹介します。
モバイルアプリケーションのKPIとは、ユーザーがアプリとどのように関わり、そしてその体験が長期的な価値につながっているかをマーケターが理解するための指標です。これらの指標によって、どの戦略が機能し、そして改善すべきポイントがどこにあるのかが明らかになります。
これから紹介する10のアプリ指標を追跡すれば、ユーザーの行動をより明確に把握でき、エンゲージメントが高い部分や、改善の余地がある部分が見えてきます。アクティベーションからライフタイムバリューに至るまで、それぞれの指標が、より健全で効果的なモバイル戦略を築く手助けとなります。
DAUとMAUは、アプリの健全性を示す最も明確な指標の一つで、追跡すべき基本的かつ重要なアプリ指標です。これらの指標を組み合わせると、どれくらいのユーザーがアプリを利用し、どの頻度で関与しているかを把握できます。
DAU/MAU比率が高いほど、ユーザーが日常的にアプリを利用していることを意味し、低い場合は、離脱の兆候やプロダクトマーケットフィットの弱さを示している可能性があります。このデータを継続的に追跡することで、ブランドは利用傾向のパターンを発見し、ロイヤルユーザーと一度きりのユーザーをセグメント化し、ユーザーを再訪問させる新しいアプローチをテストすることができます。
DAU/MAU比率が高いほど、ユーザーが日常的にアプリを利用していることを意味し、低い場合は、離脱の兆候やプロダクトマーケットフィットの弱さを示している可能性があります。このデータを継続的に追跡することで、ブランドは利用傾向のパターンを発見し、ロイヤルユーザーと一度きりのユーザーをセグメント化し、ユーザーを再訪問させる新しいアプローチをテストすることができます。
これらの指標は、ユーザーがいつ・なぜ離脱するのかを明らかにする手助けとなりますが、本当の価値は、ユーザーが完全に離れる前にその兆候に基づいて対策を打てる点にあります。
離脱を防ぐために、チームは高リスクユーザーのセグメントを作成し、自動で再エンゲージメント施策を発動できます。
>>さらに詳しく知りたい方は、アンインストール追跡について詳しくはこちら。
サステナビリティアプリ Too Good To Go は、初期段階での離脱パターンにいち早く気づき、すぐに対応しました。チームは離脱ポイントを特定し、タイムリーかつ適切なコミュニケーションによって離脱ユーザーを再活性化。 アンインストールや非アクティブ状態といったシグナルをターゲットを絞ったメッセージvに変換し、リテンションと顧客満足度の向上を実現しました。
>>Too Good To Go、大規模パーソナライズでキャンペーンROIを向上
リテンション率は、一定期間内にどれだけのユーザーがアプリに戻ってきたかを示します。これはモバイルエンゲージメントにおける最も重要なKPIの一つであり、ユーザーが継続して使い続けなければ、他の施策も意味がありません。
リテンション向上には、適切なタイミングで価値を再提示することが鍵です。おもに、リマインド通知やパーソナライズされたヒント、非アクティブユーザーに向けた再エンゲージメントキャンペーンなどが該当します。
デリバリーアプリ Snoonu は、リテンションを成長の原動力と捉えました。
Brazeを活用し、重要なマイルストーンにおけるユーザーの復帰状況を追跡。そのインサイトをもとに、動的な再エンゲージメントフローを構築し、適切なタイミングで適切なメッセージを配信することで、リピート利用と継続率の向上に成功しました。>>Snoonuの取り組みを見る
セッション関連の指標は、各セッションの滞在時間と次の(セッションまでの間隔を分析することで、ユーザーがアプリを開いた後の行動を把握するのに役立ちます。
セッションが長い、または間隔が短い場合、エンゲージメントが高く、UXが良好であるサインです。特に、短いセッション間隔はアプリが習慣化されている証拠です。
こうしたインサイトを活用すれば、行動ベースのセグメントの構築や、メッセージの最適な配信タイミングの設計が可能になります。改善のためには、セッションをトリガーにしたパーソナライズされたジャーニーを作成し、エンゲージメントが落ちてきたユーザーを呼び戻す、あるいは頻繁な利用者に対して特典を提供する施策が有効です。
オンラインとモバイルのフードデリバリーマーケットプレイスである Grubhub は、年間を通してユーザーのアプリ内行動を追跡し、そのデータを活用して1年振り返りキャンペーン(Year in Review Campaign)をアプリ内メッセージで展開。ユーザーごとの最も注文した料理や訪問したレストランの数などのマイルストーンを可視化し、実際の利用体験に根ざした高パフォーマンスな施策を実現しました。
プッシュ通知は、再エンゲージメントに非常に有効な手段ですが、ユーザーがオプトインすることで、初めて効果を発揮します。
この指標は、プッシュ通知で接触可能なユーザーの割合を示します。オプトイン率が低いと、キャンペーンのリーチが大きく制限されます。オプトインを促すには、ユーザーになぜ通知を受け取るべきなのか、その価値を早い段階で明確に伝えることが重要です。
カスタマイズされたオンボーディングフローにコンテキストに応じたプロンプトを組み込み、通知のメリットを説明することでオプトイン率を高められます。また、チャネルやコンテンツのA/Bテストを行い、最も効果的な施策を見極めることも有効です。
ビューティーブランドの e.l.f. は、Brazeを活用してプッシュ通知戦略を見直しました。オンボーディングフローにオプトインの案内を自然に組み込み、リアルタイム通知の価値を訴求することで、オプトイン率の向上とクロスチャネルでのパフォーマンス改善を実現しました。
>>e.l.f.がモバイルエンゲージメントを向上させた方法をご覧ください。
CTR(クリック率)は、配信されたプッシュ通知をユーザーがタップしてアプリを開いた割合を示します。メッセージ戦略が機能しているかどうかを測る重要な指標です。
CTRを改善するには、ユーザーの行動に基づいてパーソナライズされたメッセージを大規模に配信できるツールを活用しましょう。また、A/Bテストや多変量テストを活用し、最も反応の良いメッセージを見つけて最適化します。
eコマースプラットフォーム Styli は、アプリ内メッセージ(IAM)やコンテンツカード、プッシュ通知を組み合わせたクロスチャネル戦略を展開し、より関連性の高いキャンペーンを実施。その結果、ユーザーアクティベーションが15%増加し、新規登録も21%増加させ、CTRを含むエンゲージメント指標全体の改善に貢献しました。
>>Styliがどのように登録数とアクティベーションを増加させたかをご覧ください。
アプリ内メッセージのコンバージョン率は、ユーザーがアプリ内のメッセージを見た後に行動を起こした割合を示します(例:購入、リンクのタップ、フロー完了など)。この指標は、コンテンツと成果のつながりを直接測ることができます。
改善には、ユーザー行動に基づいたタイミングでメッセージを表示することが効果的です。さらに、多変量テストを活用して、デザインやコピーの配置を最適化しましょう。
Max は「あなたのホグワーツ寮はどこ?」という調査をアプリ内メッセージで実施し、ゼロパーティデータを収集。その結果を基に、パーソナライズされたメールやプッシュ通知を配信し、関連性の高いコンテンツを届けました。このキャンペーンにより、ベンチマークと比較して6倍のクリック率を記録しました。
機能利用率は、新機能をリリースした後、実際にどれだけのユーザーがその機能を使用したかを示します。どの機能が支持されているのか、長期的にエンゲージメントを深めるには何が有効かを把握するのに役立ちます。
利用率向上のために、ユーザー行動に基づいた「機能発見キャンペーン」を展開し、カスタムイベントやコホート分析で利用状況を追跡することができます。
Sephora SEAは、AR(拡張現実)によるメイク試着機能を導入。その活用を促すため、プッシュ通知やコンテンツカード、アプリ内メッセージを通じて手順を紹介する動画を配信。このターゲティング施策により、AR機能の利用が28%、その機能へのトラフィックが48%増加しました。
LTV(ライフタイムバリュー)は、1人のユーザーがアプリを利用する間に生み出す総収益の推定値です。LTVの計算方法はさまざまですが、目的はユーザーセグメントごとの長期的なROIを把握することにあります。
LTVを向上させるには、リテンション施策の強化が鍵です。より詳しい施策は、「Braze ひらめきアイデア大全」をご覧ください。
Blacklane は、新規ユーザーのアクティベーション、既存ユーザーの維持、休眠ユーザーの再活性化に注力し、LTV向上を目指しました。Brazeによるリアルタイムセグメンテーションとクロスチャネル施策を活用し、パーソナライズされたキャンペーンを展開。その結果、ライフサイクルコンバージョンは194%、CRM収益は94%増加しました。
>>BlacklaneがライフサイクルコンバージョンとCRM収益を向上させた方法を学びましょう
ARPUは、ユーザー1人あたりが生み出す平均収益を示す指標です。LTVや離脱率と併せて見ることで、収益化のパフォーマンスを総合的に把握できます。
理解を深めるには、カスタムイベントや収益トラッキングを活用し、キャンペーンのエンゲージメントと実際の成果を結びつける必要があります。これにより、効果のある施策を拡大することができます。
American Dairy Queen(ADQ)は、ファンのエンゲージメントとロイヤルティ登録の向上を目指し、さまざまなウェルカムオファーをテスト。最も成果の高かったオファーを全国で展開した結果、平均月間CRM収益と比べて138%の収益増加を達成。ARPUの大幅な向上に成功しました。
>>ADQがどのように月間CRM収益を増加させたかをご覧ください。
モバイルアプリの指標を追跡するのは、あくまで第一歩にすぎません。データだけではエンゲージメントは向上しません。それを解釈し、適用し、リアルタイムで対応できる力が必要です。Brazeは、アナリストやエンジニア、外部ツールの力を借りることなく、マーケターがインサイトから実行にスムーズに移れるよう設計されています。
ここでは、Brazeを使ってモバイル指標をアクションにつなげる方法をご紹介します:
まずは、デイリーアクティブユーザー(DAU)、リテンション率、プッシュ通知のオプトイン率、コンバージョンパフォーマンスなど、主要KPIを追跡するレポートを作成しましょう。レポートビルダーを使えば、SQLや外部の分析ツールを使わずに、キャンペーン別、セグメント別、期間別でパフォーマンスを分析できます。
ダッシュボードビルダーを活用すれば、主要指標をリアルタイムでモニタリングが可能です。離脱の兆候を監視したり、新機能リリースの影響を測定したりと、エンゲージメント全体のトレンドを把握できます。
カスタマージャーニーを深く理解するには、ファネルレポートや クエリビルダーを使いましょう。セッションの傾向、離脱ポイント、ゴール達成率などを分析し、ユーザーがどこでエンゲージしているのか、どこで離脱しているのかを特定できます。
行動、属性、イベントごとにユーザーのセグメント化が可能です。たとえば「過去7日以内にアプリをインストールしたが、オンボーディングを完了していないユーザー」にメッセージを送る、といったことも簡単にできます。
Brazeは、インサイトと実行をひとつのプラットフォーム上でつなぐことで、ユーザーの行動に即応できるエンゲージメントを実現します。遅延も引き継ぎも不要で、リアルタイムデータとモバイルアプリの重要指標によって、よりスマートなアプローチが可能になります。
KPI(モバイルアプリ指標)とは、ユーザーがアプリとどのように関わっているかを示すパフォーマンス指標やエンゲージメント指標です。ユーザー行動を理解し、リテンションを高めたいなら、これらの指標を追跡することが重要です。
DAUやオプトイン率、リテンションといった指標を追跡することで、何が効果的かを把握できます。Brazeを使えば、タイムリーでパーソナライズされたメッセージを通じて、ユーザーの成長を促進できます。
リテンション率、LTV、チャーン率、エンゲージメントなどのKPIで測定します。これらの指標をBrazeのレポーティングツールと組み合わせることで、成果を追跡しながら最適化していくことが可能です。
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