2025年12月 Braze Bonfire 今月のマーケター：Emma Oliver 氏

毎月、Brazeでは、Braze Bonfireコミュニティのメンバーによる素晴らしい功績を称え、1名の個人を「今月のマーケター」として選出しています。 仲間のマーケターへのサポート提供や、革新的なアイデアや戦略の共有など、さまざまな形で、これらの個人の方々は、所属企業やユーザー、顧客エンゲージメント全体に多大な貢献をされています。

今月ご紹介するマーケターは、JagexでシニアCRMマネージャーを務めるEmma Oliverさんです。Jagexは、PC・モバイル・コンソールを横断し、コミュニティを中心に据えた「長く愛され続けるゲーム体験（Forever Games）」を生み出すリーディングカンパニーです。同社の代表作であるMMORPG『RuneScape』は、これまでに3億を超えるプレイヤーアカウントを迎え入れてきたほか、累計売上30億ドル以上を誇るフランチャイズへと成長しています。今回はEmmaさんに、ご自身のキャリアやJagexでの仕事、そして印象に残っているキャンペーンについてお話を伺いました。

Emmaさんはどんなキャリアを歩んできたのでしょうか？

私は10年以上にわたり、PR、ソーシャルメディア、パフォーマンスマーケティングなど、幅広いマーケティング領域で経験を積んできました。業界もEC、ヘルス＆フィットネス、地方自治体など多岐にわたります。ここ5年ほどはCRMに専門的に取り組み、直近3年間はゲーム業界に注力してきました。私自身が熱心なゲーマーでもあるので、CRMとゲームという2つの分野を掛け合わせられる今の仕事は、まさに情熱を注げる領域です。常に刺激を受け、挑戦し続けられる環境で働けていることを、とても幸運に感じています。

仕事で魅力的に感じるのはどんな時ですか？

CRMの仕事が好きな理由は、うまく機能したときに「本当に役に立つマーケティング」になるからです。できるだけ多くのメッセージを送ることが目的ではなく、プレイヤーが本当に必要としている瞬間に、適切なサポートや情報、ガイダンスを届けることに価値があります。特にMMO（大規模多人数同時参加型オンラインゲーム）では、決まったプレイの道筋がありません。プレイヤー一人ひとりが異なる進み方をし、その体験はまったく違うものになります。そうした多様な体験を、画一的なコミュニケーションではなく、個々に最適化されたパーソナライズされたCRMの導線として反映できる点に、大きなやりがいを感じています。常に進化し続ける世界の中で、プレイヤーが迷わず楽しめるよう支え、その体験をよりスムーズで、よりパーソナルで、より魅力的なものにしていく——そこにこの仕事の面白さがあります。

Brazeをキャリア加速の手段としてどう見ていますか？

Brazeは、私を常に業界の最新動向とつなぎ続けてくれる存在です。年間を通じて開催されるウェビナーやラウンドテーブル、各種イベントは、学びを深めたり、意見交換をしたり、新しいトレンドを先取りしたりする貴重な機会になっています。特に、毎年開催されるCity x City カンファレンスは、ネットワーキング、新しい視点、そして他ブランドのリアルな事例がバランスよく得られる点で、特に価値が高いと感じています。たとえ現地で参加できなくても、オンラインセッションやブログ記事を通じて、日々の業務にすぐ活かせる実践的なインサイトを得られます。Brazeは単なるツールではなく、志を同じくするプロフェッショナル同士をつなげてくれる場であり、私自身が学び続け、成長し続けるための大きな支えになっています。

今年、楽しみにしている施策は何ですか？

毎年実施している、1年振り返りキャンペーン（Year in Review Campaign）の取り組みです。このキャンペーンでは、過去1年間のゲーム内でのプレイ状況を、プレイヤー一人ひとりにパーソナライズして振り返ることができます。今年で3年目になりますが、プレイヤーが自分のデータをSNSで共有したり、友人と比較したりと、楽しんでいる様子を見て、大きなやりがいを感じます。

私がこのプロジェクトをリードしていますが、複数のチームと密に連携する中で大切にしているのは、プレイヤーにとって意味があり、正確で、かつワクワクするデータを届けることです。

使用するデータの一部はBraze上に直接存在し、その他の要素はBrazeのCSVアップロード機能を使って取り込んでいます。この柔軟性のおかげで、思い描いた通りのキャンペーンを形にできます。配信はメールとゲーム内スナップショットの両方で行っており、毎年プレイヤーが心待ちにしてくれる、高度にパーソナライズされたマルチチャネルの施策に関われることを、とても嬉しく思っています。

Brazeを使ったクリエイティブな取り組みについて教えてください。

2025年の初めに、ゲーム史上最大規模のコンテンツアップデートをリリースしました。これは、他の大型アップデートと異なり、ほとんど参加条件がなかったため、多くのプレイヤーがすぐに体験できる内容でした。その分、非常に大きなクリエイティブの可能性が広がりました。多様な理由で多くのプレイヤーに訴求できるアップデートだったからこそ、それぞれのプレイヤーにとって個人的で、モチベーションにつながり、かつ関連性のあるメッセージを届ける必要がありました。

そこで、プロダクトチームやデータチームと緊密に連携し、プレイヤーの動機やプレイスタイルに基づいてセグメントを定義。そのうえで、Brazeのセグメンテーションやレポーティング機能を活用し、各セグメントが最も反応しやすいチャネルを検証。こうして得た知見をもとに、同じアップデートでありながら、訴求ポイントを変えて届けるマルチチャネルキャンペーンを構築しました。

一つの大きな施策の中に、複数の「小さなキャンペーン」を内包する形で展開できたことで、高いパーソナライズ性と広いリーチの両立を実現できました。データと適切なツールを組み合わせることで、ここまで創造的な施策が実現できるのだと強く実感しました。

顧客エンゲージメントの未来を一緒に築きませんか？Braze Bonfireコミュニティでは、専門家たちとつながり、アイデアを共有し、キャリアを加速させる仲間を募集しています。あなたもこのコラボレーションに参加して、一緒に新しい価値を創り出しましょう。