公開 2023年6月15日/更新 2023年8月15日/11 分で確認
CXとDXの違いを理解することは、今後の自社が取り組むべき方向性を定めることにつながります。
この記事では、CXとDXの定義や、類似用語も含めた違い、両者の重要性と関係性、向上と改善への取り組みが企業にもたらすメリットについてご紹介します。
CXやDXを理解するためには、UX・UI・CSなどの類似用語もあわせて押さえる必要があります。まずは、それぞれの定義と違いから見ていきましょう。
CXとはCustomer Experience(カスタマーエクスペリエンス)の略称です。「ある製品やサービスに関して、その出会いからアフターフォローまでの過程で顧客が得るすべての体験」を意味します。
例えば、「購入前にお問い合わせページから質問をしたところ、素早く丁寧な返事があった」「故障時のアフターフォローがイマイチだった」といった、商品の直接的な利用時以外までを含めた顧客体験全般がCXです。
CXは定義の広い言葉ですが、UXとの違いを知ることで理解しやすくなります。なお、企業がCXを高めるための方法や流れについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
UX(User Experience:ユーザーエクスペリエンス)とは、「ある製品やサービスの利用によって得られる顧客の体験」を指します。
例えば、「新規導入したITツールを使用したところ、直感的な操作のしやすさに感動した」「軽量な掃除機を探し購入したが、吸引力が弱く使い心地が悪かった」など、アイテムを実際に使った時の体験がUXです。
ポイントとして、CXは購入前や購入後の体験も指す一方、UXは使用時の体験のみを表しています。すなわち、CXはUXを含み、UXはCXの一部に当たります。
CXとUXの違いについては、以下の記事でも解説しています。>CXとUXの違いを解説-それぞれの重要性や企業視点でのメリット
UI(User Interface:ユーザーインターフェース)は、ユーザーが製品・サービスを使用する時に触れる機器(マウスやキーボードなど)や、表示される画面のデザインなどを指しています。
優れたUIは「欲しい情報がすぐに手に入る」「意図通りに操作できる」など、ポジティブなUXを生み出します。つまり、UIはUXを高めるため(ひいてはCXを高めるため)の要素の一つです。
CXと似た言葉として「CS」も挙げられます。CSには複数の意味がありますが、文脈に応じて以下3つのビジネス用語のいずれかに当てはまります。
サクセスとサポートは似ていますが、前者が能動的に企業側から顧客へアプローチする形も多いのに対して、後者は主にお問い合わせ窓口のような受動的な対応となる点に違いがあります。
CXを向上させるために活用できるのが、データであるカスタマーサティスファクション。そのカスタマーサティスファクションを向上させるための活動(および活動を担うチーム)がカスタマーサクセスです。
続いて、DXの定義と関連用語との違いを見ていきましょう。
経済産業省によると、DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)とは「データやデジタル技術等を使って、顧客目線で新しい価値を創出していくこと」です。
出典:経済産業省「中堅・中小企業等向け デジタルガバナンス・コード 実践の手引き(概要版)」より引用https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-chushoguidebook/tebiki-gaiyo.pdf
英語圏では「Trans」=「Cross」=「X」と省略される慣習があるため、DTではなくDXと表記されます。DXを理解するうえで重要となるのは、デジタル化・IT化との違いを理解することです。
デジタル化とは、紙の帳簿をExcelで管理するようにするなど、アナログの業務をデジタル機器を用いた作業に変更することです。IT化もほぼ同様の用語で、既存の業務をITやデジタル技術によって効率化することを指します。
デジタル化とIT化はDXと同一視されがちですが、実際には異なります。前述の通り、DXは新しい価値の創出までを含めた用語です。単にデジタル・ITツールを導入するのではなく、ときにはビジネスモデルの変革までを行う大規模な取り組みを指します。
つまり、デジタル化やIT化はDXの過程に過ぎず、そこで留まってはDXを達成できているとはいえません。CXを向上させるために意識しておきたいポイントです。
CXの向上やDXの推進が重要とされる理由には、大きく以下の3点が挙げられます。
CXとDXは、相互に好影響を与えお互いを高め続ける関係にあります。 DXを推進することでCXが向上し、CXの向上を目指す中でDXの推進が進むためです。
CXは、購入前から購入後までを含む幅広い顧客体験です。その向上には、CSを含む広範なデータを活用し、商品と顧客の接点を視覚化して把握することが欠かせません。そのデータの利活用のためには、必然的にDXを進める必要があります。
また、DXによる業務効率化からはCXを改善できる取り組みも誕生します。一例となるのが、多くのECサイトに導入されているチャットボットです。チャットボットは「24時間いつでもその場で疑問を解消できる」という、人の手では難しい新たな顧客目線の価値を生み出しています。あわせて社員の休日・深夜労働を減らし、人件費を削減する副次的な効果も創出しており、CXとDXの輪がビジネスに大きなインパクトを与えた好例といえます。
あらためて、CXの向上とDXの推進を行うメリットを知っておきましょう。
CXの向上は、自社製品やサービスに技術的価値以外の強みを生み出し、ブランドイメージの改善やリピーターの増加を実現します。
前述のコモディティ化などにより、現代は技術面だけでは競合との差別化が難しくなっています。「購入前や購入後の対応が丁寧で信頼できる企業である」、ひいては「この企業の商品なら安心できる」と商品の性能以外を理由に顧客を獲得することで、経営基盤は安定します。
DXの推進は、前述のチャットボットの例のように、ビジネスに大きなインパクトを与えます。また、そもそもデジタル・IT技術を導入することは、データの利活用が必須であるCXの向上に欠かせない作業の一つでもあります。
DX推進のメリットは「DXに取り組まなければ不可能な業務改善により、他社に負けないビジネス上の競争力を生み出せること」とも言い換えられるかもしれません。DXに取り組まなければ、そのメリットは他社に独占され、自社のデメリットに変化してしまうでしょう。
CXの向上では、DXにより顧客体験全般を視覚化して分析すること、そして顧客一人ひとりのニーズに則した体験を提供することが求められています。しかし実務においては、そもそも分析をどのように進めるべきか、スタートで躓いてしまうことも多いのが実情です。
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購入前から購入後まで、広範な顧客体験を扱うCXを向上させるためには、DXによりデータを分析し、またIT技術も活用した改善施策を進める必要があります。
まずはこの記事をもとにCX、DXそれぞれの定義と違いを理解したうえで、ぜひ具体的な取り組みを検討していきましょう。
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