公開 2025年6月26日/更新 2025年6月26日/11 分で確認
パーソナライゼーションは、ブランドが展開する顧客エンゲージメント戦略で優先すべき取り組みであり、一方、課題でもあります。2015年にパーソナライゼーションについて記事を執筆しましたが、10年経った今でも、マーケティングリーダーの85%が自社のメッセージがターゲットに届いていない、と懸念しています。
この10年間でパーソナライゼーションに対する私たちの認識と理解が大きく進化しました。デジタルマーケティングの黎明期には、優れたパーソナライゼーションとは、名前をメールに静的に差し込むようなものでした。しかし、アドテクとサードパーティCookieの台頭に伴い、パーソナライゼーションは「なぜ、この広告が表示されたのか?」と思われるような不気味な領域へと入り始めました。そんな背景の中、ファーストパーティデータの時代を迎えた今、パーソナライゼーションは新たな変化と進化を遂げています。
パーソナライゼーションは、単純に「あるか、ないか」という戦略ではなく、スペクトラム(高度なものから基本的なものまでを表すチャートのようなもの)です。スペクトラムの一方の端には、メールの件名に名前を記載したり、市区町村名を入れ替えたSMSの一斉送信といった基本的なものがあります。技術的にパーソナライズされてはいますが、意味あるパーソナライズには必ずしもなっていません。その一方で、ユーザーのニーズを予測し、ユーザーの好みを反映し、必要なときだけ表示される、不気味になりすぎないようなパーソナライゼーションも存在します。
多くのブランドはその中間あたりで行き詰まっています。顧客データを活用してはいるものの、重要な顧客シグナルを捉えきれていないメッセージを送信しています。
課題はデータ不足ではなく、いかに活用し、効果的に、役立つと感じられる手法を見つけることです。だからこそ私たちは、Brazeのパーソナライゼーションツールキットを進化させ、マーケターが表面的な戦術レベルではなく、チャネルを横断し、感情に訴えかけるようなインテリジェントなリアルタイム体験の構築を支援します。販促メッセージの送信、リピート購入の促進、「閲覧中」から「予約」への促進支援など、あらゆるインタラクションが、まるで自分だけのために作られたかのように感じられる、そんな体験です。
Canvas Context(キャンバスコンテキスト)、RCS、バナーといった最新機能は、パーソナライゼーションのレベルを高め、応答性に優れ、顧客を尊重する、そんなリアルなカスタマージャーニーの構築を支援します。詳しく見ていきましょう!
従来のパーソナライゼーションがプロファイルに基づき、顧客の要望を静的に推測することだとすれば、現代のパーソナライゼーションは、その瞬間を捉え、それに即応することです。しかし、すべての顧客にユニークな体験を届けるには、大きな課題も伴います。それは、スケールアウトです。
Canvas Contextは、この課題を劇的に解決します。現在、早期アクセス版として提供されているCanvas Contextは、新しいキャンバスステップが含まれています。「注文日」や「フライト時間」といった、カスタマージャーニー固有の一時的な変数をカスタマージャーニーに追加できます。これらの変数を顧客プロファイルに永続的に保存する必要はありません。キャンバス全体でそのデータを参照できるため、各顧客に合わせたタイミング、ロジック、メッセージングをパーソナライズでき、1つのキャンバスから事実上無限のカスタマージャーニーを構築できます。
例えば、顧客が旅行を予約したとします。フライト前にリマインダーを送信したいのですが、フライト時間や目的地が異なる何百人もの顧客がいる場合、どのようにスケールアウトすればよいのでしょうか?複数のコネクテッドコンテンツや API 呼び出しを行う代わりに、各乗客の出発時刻と目的地ごとに Canvas Context変数を作成することで、フライトの更新情報、チェックインのプロンプト、その他の情報を必要なときにすぐに キャンバス 内で提供できます。
優れたパーソナライゼーションは、伝える内容だけでなく、伝える場所にも影響します。ウェブサイトを閲覧中、アプリを操作中、あるいはメッセージをスクロールしているときなど、お客様はブランドが常に最新の情報を提供してくれることを期待しています。そこで私たちは、現代の顧客行動に合わせて構築された2つの新しい動的メッセージングチャネル、RCSとバナーを導入し、エンゲージメントの手段を拡大します。
これらのチャネルを活用すれば、視覚的に豊かなメッセージを顧客のスマートフォンに直接送信したり、アプリを開いた瞬間にパーソナライズされたプロモーションを配信したりなど、重要な瞬間により効果的な方法でアプローチできるようになります。
今日の消費者は、基本的なもの以上のものを期待しています。関連性、共感、そして直感的で押し付けがましくないタイミングを期待しています。これは、特にマーケターが断片化されたデータ、変化するプライバシー基準、そして進化する顧客行動を巧みに処理している状況では、非常に難しい要求です。しかし、適切なプラットフォームがあれば、それは可能であるだけでなく、拡張性も備えています。
Canvas Context、RCS、バナーといった新機能により、Brazeは、一般的なメッセージングからリアルタイムで感情に訴えるインテリジェントな体験まで、パーソナライゼーションの領域をさらに進化させるために必要なものを提供します。ダイナミックなジャーニーを構築したり、双方向の会話を開始したり、アプリやウェブサイト内でその瞬間の価値を提供したりすることで、顧客に必要なメッセージを、必要な時に、必要な場所で届けることができます。
そして、AIとパーソナライゼーションにおけるその役割についてはまだ触れていません!Brazeは、人間の創造性と機械知能を融合させた新しいAI機能に投資しており、マーケターが1対1の体験を大規模に構築・最適化することを容易にしています。 9月のForgeでは、Project Catalystをはじめとする当社のイノベーションについて、さらに詳しくご紹介できることを大変楽しみにしています。
それまでの間、パーソナライゼーションとは、単に顧客の名前を知ることだけではありません。顧客が今何を求めているのかを理解し、それを的確に、目的を持って、そして敬意を持って提供することこそが、パーソナライゼーションの真髄です。
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