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24Sは、パーソナライズされたショッピング体験を通じて購買頻度を高め、初回購入率の最大化を図りたいと考えていました。従来は、トリガーメール、モバイルメッセージ、レコメンド機能に複数のプラットフォームを使用しており、顧客体験が断片化され、社内チームの作業負担も増大していました。
Brazeを活用し、在庫切れ商品やカゴ落ちといった摩擦の原因になり得るポイントを、顧客とのエンゲージメントと売上向上の機会に転換する8つのパーソナライズトリガーキャンペーンを展開。また、BrazeのAIアイテムレコメンデーションを用いて、各ユーザーに合わせた商品提案をスケーラブルに実現しました。
再入荷通知キャンペーンにより、過去6か月間でカート追加率が7%向上。さらに、カゴ落ち・在庫僅少による緊急性を訴求したキャンペーンでは、3日以内の購入コンバージョン率が35%増加しました。
過去6か月間での3日以内の購入コンバージョンの増加率
過去6か月間でのカート追加向上率
LVMH傘下のオンラインラグジュアリーストア「24S」は、パリの洗練された感性を世界中の顧客に届けています。2017年にローンチされた同社は、ラグジュアリーメゾンからコンテンポラリーブランドまで、60を超えるブランドを厳選して展開。マルチブランドのプラットフォームとして、ラグジュアリー店舗同様のパーソナライズされた上質なデジタル体験を提供しています。
競争の激しいオンラインラグジュアリー市場において、顧客エンゲージメントは24Sの成功に不可欠です。同社は、カゴ落ち通知やAIを活用した再入荷アラートなど、Brazeの機能を活用した新たなキャンペーンを展開し、顧客体験における潜在的な摩擦を取り除き、エンゲージメントの重要なポイントで新規顧客や大切なお客様の購買頻度を高めています。
カゴ落ちは単なる機会損失にとどまらず、顧客にとっても「欲しかった商品が売り切れてしまった」という残念な体験につながる可能性があります。24Sは、これを隠れた摩擦要因と捉え、むしろ初回購入率を高める貴重なエンゲージメントの接点と位置づけました。
同社は、ノーコードで顧客ジャーニーを構築できるキャンバスを活用し、「30日前にカゴ落ちした商品が在庫僅少になったとき」に通知を送るトリガーベースのキャンペーンを構築しました。
この取り組みでは、Braze カタログ(ブランド独自の製品やサービスのカタログを活用して顧客体験やキャンペーンをパーソナライズするツール)を通じて在庫数データをメッセージに連携。Liquid演算子を用いて在庫状況を自動的に判断し、緊急性を喚起するタイミングで通知を送信する仕組みを実現しました。また、特定のプレミアムラグジュアリーブランドを対象外とするために、コンテンツブロックも活用しています。
再入荷通知キャンペーンでは、Brazeのキャンバスで「再入荷アラートに登録した顧客に対し、再入荷と同時に4つの商品レコメンドを送る」トリガーキャンペーンを展開。商品レコメンドには、BrazeのAIアイテムレコメンデーションを活用し、ブランドのカタログから「その顧客にとって次に最適な商品」を自動的に選出し、パーソナライズした提案を大規模に実現します。
こうした通知により、顧客は当初希望していた商品の再入荷を知ると同時に、自分に合った魅力的な商品をすぐに見つけることができます。
両キャンペーンとも短期間で立ち上げが可能で、再入荷キャンペーンはわずか数時間で構築されました。これは、従来はメール・モバイルメッセージ・ライフサイクルメッセージで別々のツールを使用していたのに対し、Brazeで一元化できたことが大きな要因です。また、従来は別のレコメンドツールの導入や連携にも多くのリソースを要していましたが、Braze導入によりその負荷を大きく削減できました。
さらに、24SはBrazeのパーソナライズドパス機能を活用し、顧客の行動や好みに基づく最適な体験設計を実現。AIレコメンドの効果をテストしながら、継続的な改善につなげています。
Brazeへの統合によって、テクノロジーコストを削減し、連携にかかる時間や技術的な複雑性を軽減できました。その結果、お客様に本当に価値あるパーソナライズ体験をスムーズに届けられるようになったのです。
この2つのキャンペーンは、24Sの成功に寄与し、今後の成長に向けた基盤となっています。特に「カート放棄×在庫僅少」キャンペーンは、直近6か月で購入コンバージョン率(3日以内の購入)を35%向上させ、収益に直接的なインパクトをもたらしました。在庫が少なくなっている商品への緊急性を訴求することで、24Sは本来失われていたかもしれない売上を回収することに成功しました。
また、「再入荷通知×AIレコメンド」キャンペーンでは、直近6か月でカート追加率が7%増加し、エンゲージメントの向上が見られました。お客様が最初に希望していた商品が品切れであっても、関連性の高いおすすめ商品を提示することで、新たな購入機会を創出しています。AIを活用することで、顧客の期待や関心に応える体験を自動的かつ最適に提供することが可能になりました。
さらに、24Sは複数のテクノロジーを統合し、Brazeに移行したことで、業務面でも大きな成果を上げました。時間を節約し、システムの複雑さを軽減し、より一貫性のある顧客体験を実現できるようになったのです。コスト削減、統合の簡素化、キャンペーン実装の迅速化を同時に実現しました。