公開 2025年11月12日/更新 2025年11月12日/11 分で確認


長年にわたり、マーケティングデータは劇的に進化してきました。静的なスプレッドシートからダイナミックなダッシュボードへ、手動のデータ取得からAIによるインサイトへと移行してきました。しかし多くのマーケターにとって、データにアクセスするには依然としてSQLクエリの技術的専門知識やデータチームへの依存が必要でした。
本日、その障壁が取り払われます。Brazeは、誰でも会話形式でデータとやり取りすることができるMCP Server(ベータ版)を発表します。
質問を入力して、自分のBrazeエコシステムを探究することができます。キャンペーン全体像を把握したいですか?もっとも利用されている(またはされていない)セグメントを確認して整理やターゲティングを行いたいですか?次回の会議に向けて戦略的な提案を生成してほしいですか?――それら全て、シンプルな会話を通じて可能になります。かつて専門スキルが必要だったデータアクセスは、今やあらゆるマーケターに開かれています。
MCPとはModel Context Protocolの略で、AIシステムが他の技術とやり取りする方法を標準化するためにAnthropicが発表したオープンソースのフレームワークです。Braze MCP Serverは、ChatGPTやClaudeといったLLMにBrazeのデータのコンテキストを渡すための、シンプルかつ業界標準の方法です。簡単なステップで、まるで同僚と会話するようにBrazeデータとチャットできるようになります。
開始方法は以下の通りです:
セットアップは10分以内に完了可能。MCP Serverの完全なドキュメントも用意しています。構成後は、MCP ServerがAIツールとBrazeアカウントの橋渡しとなり、キャンペーン、キャンバス、セグメント、カスタム属性などに会話形式でアクセスできます。簡単な会話文で質問すれば、数秒で答えが返ってきます。SQLも複雑なクエリビルダーも不要。ただ欲しい答えが、欲しいときに得られるのです。
MCPは、外部ツールやデータソースにLLMがアクセスして利用できるようにする、オープンソースかつ業界標準となりつつあるプロトコルです。Brazeはこの仕組みに基づき、Braze MCP Serverを開発しました。

Brazeでは、社内のマーケティングチームがBrazeを使ってお客様にメッセージを配信しています。私たちのチームは数週間にわたりMCPサーバーを利用し、新しいインサイトを発見してきました。そこで常に気にしていたのは「日々の業務や成果を本当に改善してくれるのは何か?」という問いです。以下は、私たちがMCPと行っている会話の一部であり、仕事の進め方を変え始めている事例です。
まずはマーケティングプログラムの基本的な全体像を把握するために、「会計年度別にすべてのキャンペーンとキャンバスの数をカウントしてください」とプロンプトしました。これによりMCPと共通認識を持つことができ、FY’25が215件以上で過去最高だったこと、FY’26はすでに年の半ばで約100件に達していること、キャンバスの利用がFY’24の5件からFY’26ではすでに70件近くまで増えていることなど、重要なポイントをわかりやすく把握できました。そこで自然とする次の質問は「このペースで進めると、年末までに何件立ち上がる見込みですか?」というもの。MCPの予測は約200件で、FY’26は過去の最高記録に匹敵する結果となりそうだということでした。
このインサイトは、キャパシティプランニングやリソース配分に関するチーム内の議論を助けてくれましたが、まだ解き明かしたい問いは数多く残されていました。

次に私たちが掘り下げたのはパフォーマンスです。 「2025年7月のキャンペーンとキャンバスの成果を要約して」とMCPに尋ねると、わずか数分で明確なパターンを提示してくれました。
これらのインサイトによって、すぐに戦略を見直したい気持ちが高まりました。もちろん次のステップは、「この情報をもとに何をすべきか?」をMCPに尋ねることでした。

最後に「今回のインサイトに基づいて、始めるべきこと2つ、続けるべきこと2つ、やめるべきこと2つを教えて」とプロンプトを入れたところ、MCPは発見したデータに基づいてシンプルかつ明確なアクションを提示してくれました。
さらに大きなボーナスとして、MCPは180以上の重複したカスタム属性を発見し、それらをブロックリストに登録。さらに、整理したいと思っていた未使用のセグメントも多数見つけ出し、簡単にアーカイブできる計画まで提示してくれました。これは嬉しい!
私たち自身のテストから得られた、MCPの成果を改善するためのいくつかのインサイトをご紹介します。
具体性がカギ:「最近のパフォーマンス」よりも「2025年7月のパフォーマンス」のように具体的に指定する方が、はるかに正確なインサイトが得られます。日付範囲を含め、対象をキャンペーンのみにするのかキャンバスも含めるのかを明記する、キャンペーン名やカテゴリ、データの種類をできるだけ指定する、といった工夫が有効です。逆に「過去10年間のすべてのメッセージングの成果を教えて」といった大まかなプロンプトでは、結果は精度が落ちてしまいます。
部分的なデータに注意: プロンプトが十分に条件を網羅していない場合、MCPは部分的なデータに基づいた結果を返すことがあります。その場合は「[指定範囲]から追加の結果を確認して」といった簡単なプロンプトを加えることで、より包括的な結果を得られます。違和感があれば直感を信じて、追加のプロンプトや再試行で検証してみましょう。
ループにハマったときは?: AIが同じことを繰り返したり、行き詰まってしまった場合は、新しい質問で流れをリセットしましょう。MCPが膨大なデータセットを対象にしている可能性もあるので、ガイド役として方向修正をする感覚です。新しいチャットを立ち上げ、より具体的なプロンプトに切り替えるのも有効です。
さらに深掘りする: 良い分析結果やインサイトが得られたら、そこで満足せず「他にどんなことを教えてくれる?」とMCPサーバーに聞いてみましょう。処理の仕組みを学べるというボーナス効果もあり、次回以降のプロンプト設計がさらにスマートになります。チャートやビジュアルを生成させることも可能です。
インパクトで絞り込む: MCPは大量の情報を提示してくれますが、多すぎて整理に困ることもあるでしょう。そんなときは「最も大きなインパクトがあるのは?」「最速で成果が出るのは?」「長期的に最も時間を節約できるのは?」といった優先度付きのリストをリクエストするのがオススメです。
常に“上に報告する”視点を:マーケターの仕事の半分は、自分の成果を社内に伝えることだと言っても過言ではありません。MCPはその助けになります。得られたインサイトをもとにCMO向けのスライド要約を作りたいなら、ぜひ頼んでみましょう。Slackに投稿できるデータビジュアライゼーションが欲しいなら、ぜひ頼んでみましょう。エンジニアに伝えるためにカスタムイベントで発生している不具合を要約したいなら、これももちろん頼んでみましょう。
MCP Serverは最先端の仕組みであり、今回Brazeユーザー向けにベータアクセスを開放します。自然な会話を通じて、キャンペーン、キャンバス、セグメント、属性データへ読み取り専用でアクセス可能です。セキュリティを最優先とし、専用のAPIキーを作成・適切にスコープ設定することを強く推奨します。
重要なのは、AIが提示するインサイトを鵜呑みにせず、重大な意思決定前には必ず検証することです。Braze MCP ServerはPIIを含まないフィールドにアクセスする設計となっており、安心してカスタマーエンゲージメントの全体像を理解できます。
会話形式でBrazeデータにアクセスできる未来は、すでに始まっています。本日からすべてのお客様が利用可能です。ドキュメントを参考にすぐに始めることができます。ご利用はベータ規約に準拠します。新しいユースケースやアイデアはぜひ [email protected] までお知らせください。
免責事項
モデルコンテキストプロトコル(MCP)は、現在セキュリティ上の問題や脆弱性がある可能性がある新規に導入されたオープンソースプロトコルです。Brazeが提供するMCPサーバーのセットアップコードおよび手順は、Brazeにより「現状有姿」で提供され、いかなる保証も付帯しません。顧客は自己の責任においてこれを使用します。Brazeは、不適切な設定、MCPの誤用、または発生する可能性のあるセキュリティ問題から生じるいかなる結果についても責任を負いません。Brazeは、顧客が設定を慎重に確認し、ガイドラインに従ってBraze環境の整合性およびセキュリティに関連するリスクを軽減するよう強く推奨します。
支援や説明が必要な場合は、サポートチームまでご連絡ください。
将来の見通しに関する記述
このブログ記事には、1995年民間証券訴訟改革法の第27A条および第21E条の「セーフハーバー」規定に定める「将来の見通しに関する記述」が含まれており、Brazeおよびその製品・機能(Braze MCPサーバーを含む)の性能や期待される利益に関する記述が含まれます。これらの将来見通しに関する記述は、Brazeの現在の仮定、期待、信念に基づいており、実際の結果、業績、または達成度が、将来見通しに関する記述で表明または暗示される将来の結果、業績、または達成度と実質的に異なる原因となる可能性のある重大なリスク、不確実性、状況の変化に左右されます。Brazeの業績に影響を与える可能性のある要因に関する追加情報は、2025年4月30日終了の四半期に関するBrazeの年次報告書(Form 10-Q)およびBrazeが米国証券取引委員会に提出したその他の公開書類に記載されています。本ブログ記事に含まれる将来の見通しに関する記述は、本ブログ記事の掲載日時点におけるBrazeの意見のみを反映するものであり、Brazeは法律で義務付けられる場合を除き、これらの将来の見通しに関する記述を更新する義務を負わず、また更新する意図もありません。
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