braze

人とブランドをつなげる 顧客体験の創り手たち Vol.5 | 斉藤 みなみさん

公開 2025年6月12日/更新 2025年6月12日/10 分で確認

人とブランドをつなげる 顧客体験の創り手たち Vol.5 | 斉藤 みなみさん
作成者
Team Braze

ゼロから店舗づくりした経験をWebマーケに生かす

最初に現在の職責を教えてください。

斉藤 株式会社TUKURUは、製菓や製パン材料、ラッピング資材などを取り扱う一般消費者向けECサイト「cotta(コッタ)」、法人向けECサイト「cotta business(コッタビジネス)」を運営しています。入社してから、私は法人マーケティング部マネージャーとして働いていましたが、2025年4月に組織改編があり、今は法人事業部マネージャーという肩書になっています。

a woman is sitting in front of an apple laptop

職務内容も変わったのでしょうか。

斉藤 再編前はマーケティング、商品開発、お客様対応に部署が分かれていましたが、ひとくくりの組織のほうが「cotta business」の成長戦略を描きやすい、という判断がありました。私の立場は、マーケティングはもちろん、商品開発、顧客体験に大きく関わる受注対応なども含め、「cotta business」を総合的に見るように変わっています。

マーケターでありプロダクトマネージャー的な立ちまわりも求められる立場かと思いますが、そこに至るまでのキャリアを聞かせてください。

斉藤 ダイニング、居酒屋などを店舗展開する飲食チェーンに新卒で入りました。店舗スタッフ、店長、エリアマネージャー、スーパーバイザーという、飲食の王道キャリアパスを経て、マーケティングマネージャーへ。ある物件に対して、どんな業態の店舗なら売り上げが見込めるかを考え、企画提案するのはもちろん、店舗設計、ロゴづくり、メニュー開発、採用まで含め、ゼロからの店づくりをまかされていました。育休を経て同じ職場に復帰したのですが、そこまでの経験、得意分野を生かしてキャリアアップをしたいと考えるようになり、CRMのスタッフとして現在の会社へ転職しました。

自分の得意分野について、どうとらえていたのでしょうか。

斉藤 前職での店舗開発、ゼロからのものづくり経験は強みだと思っていました。また、キャリア形成の軸に「食」があり、店長として店を切り盛りしていた経験も「cotta business」のお客様支援に役立つと考えました。

お客様解像度の重要さはオンもオフも変わらない

ECサイトのマーケティングへの転身で戸惑ったことはなかったのでしょうか。

斉藤 オンライン主体のコミュニケーションに戸惑ったのは事実で、テキストだけでアイデアや感情を伝える難しさは転職して初めて知りました。店舗で働いていたときは、目の前のお客様の様子を見て、必要があれば話を聞き、リアルのコミュニケーションを通じて関係性を築けたし、私の言葉やサービスが、そのまま顧客体験向上につながっている実感がありました。マネージャーになってからも現場に足を運ぶことを大事にしていて、スタッフの話を聞き、お客様の様子を自分の目で見て、店舗運営がうまくいっているかをリアルな反応をもとに確認していました。「cotta business」では、施策に対しての反応を数字のデータで判断します。Webマーケティングだから当然ですが、重要なのは数字の読み解き方。最初はずっと数字とにらめっこしていましたが、少しずつ自分なりのやり方を取り入れるようにしました。

それはどういうものだったのでしょう?

斉藤 最終的なミッションは売り上げを伸ばすこと。そのプロセスを分解すると「誰のために、どんな課題を解決するサービスなのか」を明確にしなければ効果的な手を打てなくなり、これはオンラインもオフラインも同じ。アンケートでユーザーボイスを集め、店舗を訪問し、生の声を聞かせていただく機会を少しずつ増やしながら、お客様の解像度を上げる取り組みを強化しました。Webマーケティングというと特別なスキルや経験が必要と思いがちですが、私の中ではシンプルで、要は「どうすればお客様によろこんでもらえるか」が根本にあり、思考回路はリアルに接客していた頃と変わりません。

a woman sits at a table with an apple laptop

顧客解像度を高め、パーソナライズされたコミュニケーションを行うため、マーケティング、CRMのツールとはどう向き合っているのでしょうか。

斉藤 前職ではほぼ接する機会がなく、転職してからになります。幸運だったのは、入社のタイミングとBrazeのオンボーディングがほぼ重なったこと。それまでは顧客セグメントに基づいたマーケティング施策を展開できておらず、強化のためCRMツールを置き換えるタイミングで入社したので、Brazeに関しては既存スタッフと同じスタートラインに立てたからです。導入して、特に注力したのが「販売促進」でした。約9万の法人会員を細かくセグメントし、各セグメント顧客群へのメールやプッシュ通知、ポップアップなどをマルチチャネルで発信しています。キャンバス機能でメール開封の有無、サイト来訪履歴などの要素でシナリオを分岐させ、サイト未訪問顧客やサイト閲覧のみの顧客に対して、しつこくない程度に割引クーポンを配布したり、特別感を演出したコンテンツカードを表示させたり。メッセージをユーザーにリーチさせる離反防止策によって、導入した年から離反顧客の復帰率が前年比130%増に向上しました。細かくセグメントした施策が簡単にできるのはすごいと、感動しましたね。

いろんな視点からの施策で製菓業界に変革を起こしたい

Brazeを使った施策で印象に残っているものを教えてください。

斉藤 「cotta business」のコアユーザーは全国のパティスリーです。毎年、クリスマスとバレンタインの前が繁忙期ですが、Brazeを導入した年のプロモーションでは、どちらも前年比で140%ほどの売り上げ増を達成しています。もともと、3日に1回程度のペースでセール関係のメルマガを配信していましたが、その中に、特殊なプロモーションを要約するメルマガを何本か仕込み、そこから来訪したお客様ごとに刺さりやすいポップアップを出し分けるなど、パーソナライズした施策でした。内容、頻度に強弱をつけることで、お客様が欲しいタイミングで、欲しい情報を届けられたのではないかと思います。

法人事業部マネージャーとなり、顧客体験を向上させるため注力しているのはどういう領域でしょうか。

斉藤 今までは今期や来期など、足元の売り上げをどう伸ばすかが課題でしたが、法人事業を持続的に成長させるには、eコマースを伸ばすだけでは十分ではありません。顧客体験を向上させる取り組みを引き続き強化しながら、新規顧客の獲得、さらに自社開発商品のテコ入れも必要になってきます。プロモーションレベルも、商品レベルも、そして私たちスタッフのレベルもどう上げていくかに注力しています。「cotta business」のマーケットであるパティスリー業界は、これまでの取引先様とのお付き合いを大事に重んじる風潮や、リアルな接客など、対人コミュニケーションを重要視することが強く根付いていると感じます。Web主体のコミュニケーションではカバーしきれませんが、かといって全国のお客様とリアルな接点を持つのは現実的ではありません。これは業界全体の課題でもあり、我々としてはWebでのタッチポイントを増やしながら、オフラインでのコミュニケーションもかけ合わせ、2つの軸で業界に変革を起こしたいと思っています。

a woman smiles in front of a sign that says cucina

その変革にもBrazeのようなツールは欠かせませんね。

斉藤 それは間違いありません。パーソナライズしたプロモーションはもちろん、ラッピング用品のような自社商品の開発も、お客様の解像度を高め、何が求められているかを把握することでレベルアップできるはずです。そうした有形の商品だけでなく、今後は無形のサービス提供にも力を入れていきます。例えば、誕生日のバースデーケーキ。パティスリーには毎日のようにバースデーケーキの予約注文が入りますが、顧客データを記録し、活用しているお店が少ないのが現状です。来年も同じお客様からケーキ予約を獲得できるよう、お客様の大事な情報を蓄積し、自動で販促が仕掛けられるようなCRMツールを開発しています。仕入れ事業だけではなく、いろいろな角度からお店様のビジネスを支援できるサービスを増やしていき、全国のお店様の様々な課題に向き合えるcotta businessにしていきたいと考えています。

商売全体に関わり、自分らしいキャリアを構築したい

法人事業部マネージャーとして成し遂げたいこと。また、将来の自分のキャリアについてどうお考えか、最後に聞かせてください。

斉藤 マネージャーとしては、「cotta business」をご利用いただく全国のパティスリー・カフェ・飲食のお店様のために、より良い商品の提供と、プロモーションに磨きをかけることで、結果にコミットしていきたいと思います。キャリア視点だと、最初はマーケティングにフォーカスしたキャリア構築を考えていましたが、今は視野が広がり、法人事業の「商売」全体に関わり、顧客体験の向上、その先にある会社の成長に貢献するのが自分の使命だと考えています。それには、ここまで築いてきたキャリアに加え、ビジネスや経営視点でのものの見方、考え方をインプットしていく必要があるでしょう。飲食店の現場経験、Brazeを使ったエンゲージメント施策の経験、そこにビジネス視点をかけ合わせて、自分らしくキャリアを構築していきたいですね。

関連コンテンツ

ブログを読む

ジャーニーオーケストレーションへ進みましょう。

高度なインテリジェンスを備えた、リアルタイムに対応したジャーニーオーケストレーションへの移行が進んでいます。その多くが私たちのプラットフォームで行われています。あらゆる規模のブランドが顧客エンゲージメントを次のレベルへと引き上げています。あなたもぜひ、参加しましょう。