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Appleのメールアプリが進化!メールマーケターが知るべき新UIのポイント

公開 2025年4月15日/更新 2025年4月15日/8 分で確認

Appleのメールアプリが進化!メールマーケターが知るべき新UIのポイント
作成者
Alison Gootee
Compliance and Deliverability Enablement Principal II, Braze

Appleのメールアプリが進化!メールマーケターが知るべき新UIのポイント

AppleがiOS 18をリリースし、その後のアップデートによって、メールアプリにいくつかの新機能が追加されました。これにより、一部のマーケターは自社のメール施策への影響を懸念しているようです。

しかし、顧客中心のメッセージ戦略という視点から見ると、iOS 18の変更がメールマーケティングに大きな悪影響を与えることは考えにくいでしょう。むしろ、これらの新機能を正しく理解し、上手に活用することで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。

「メールカテゴリ」機能がAppleメールにも登場

GmailやYahoo!、Microsoftのメールでは、以前から「プロモーション」「ソーシャル」「アップデート」などのタブでメールを自動分類する機能が提供されていました。これは、増え続ける受信メールの整理を助け、ユーザーが必要な情報を見つけやすくするための工夫です。そして今回、Appleも同様の機能を導入。「メールカテゴリ」という名称で、メールの自動分類を行うようになりました。

一部のマーケターは、「プロモーション」カテゴリに振り分けられることを懸念するかもしれませんが、この機能は決してコンバージョンを妨げるものではありません。むしろ、ブランドにとって必要なマーケティングメールが、個人的なメールの中に埋もれず、見つけやすくなる可能性があります。

「プロモーション」に分類されても、決して悪いことではありません。これらのカテゴリはすべて「受信ボックス内」の扱いであり、迷惑メールフォルダとは異なります。1対1のパーソナルメールでない限り、プロモーションカテゴリはごく自然な配置となります。

なお、このカテゴリ分けは送信者側で制御することはできませんが、ユーザー自身がカテゴリの有効化・無効化や並べ替えを自由に設定できます。

ブランドの信頼性を高める「ブランドメール Mail」機能

Appleによるもう1つの注目アップデートが、「Branded Mail(ブランドメール)」の導入です。これは「BIMI(Brand Indicators for Message Identification)」に似た機能で、Apple Business Connectを通じて、メールの送信元に企業ロゴなどのブランド要素を表示できるようになります。

ブランドメールを活用することで、受信トレイ内でメールが目立ちやすくなり、開封率の向上やエンゲージメント強化につながります。 ブランド認知の強化や、正当な送信者であることの証明にも役立つため、パフォーマンス改善を目指す企業にとって非常に有効なツールといえるでしょう。ただし、この機能を利用するには有料のApple Developerアカウントが必要ですので、導入を検討する際はその点も考慮しましょう。

ダイジェストビュー機能でスクロールが快適に

昨年の春、Appleは「ダイジェストビュー」をメールアプリに導入すると発表しました。これは、同じ送信者から届いた複数のメールを1つにまとめて表示する機能で、効率よくメールをチェックできるようになります。

この変更は、複数の企業やブランドから頻繁にメールを受け取っているユーザーにとっては、受信トレイがスッキリして利便性が上がるという利点があります。一方で、メールがひとまとめに表示されることで、個々のメールが目立ちにくくなり、エンゲージメントが減少すれば、配信到達率にも悪影響が出る可能性があります。

この変化に対応するために、マーケターは「件名」をより具体的で興味を引くものにし、メールの内容も読者にとって価値ある・ユニークで・動的な情報となるよう工夫する必要があります。また、読者が期待する頻度でメールを送ること、どのコンテンツが響いているのかをモニタリングすることも重要です。

返信やクリックといったポジティブなアクションを促すことで、送信者の信頼性を高め、安定した受信トレイ配信を維持することにもつながります。今回のアップデートに共通しているのは、「ユーザー自身にメール体験の主導権を持たせる」というAppleの方針です。顧客の好みや行動を尊重するブランドほど、今後の変化から恩恵を受けやすくなるでしょう。

TLDR:AI Overview機能

Appleが進めるAIによる体験の最適化の一環として、新たに導入されたのが「AI Overview」という機能です。これは、メールの送信者・件名・受信日時といった重要な情報を要約表示するもので、忙しいユーザーや、ざっくりと内容を確認したいユーザーにとって非常に便利な仕組みです。現在はベータ版として提供されています。

AIオーバービューはまだ発展途上の機能であるため、表示される内容が予測しづらいケースも少なくありません。そのため、メールの件名や冒頭部分にこれまで以上に工夫を凝らし、受信者の興味を引きつける工夫が求められます。

メールマーケターが知っておくべきポイント

  • メールのクリッピング問題:受信トレイでメールが途中で切れてしまう(クリッピング)ケースが増えています。これにより、ユーザーに完全なメッセージが表示されず、意図した内容が伝わらなくなるリスクがあります。メールの内容はコンパクトに、テキストを中心に構成することで、表示崩れや読みにくさを防ぎましょう。画像の多用は避け、アクセシビリティの観点からもテキスト重視が効果的です。また、送信前にメール表示のQAチェック体制を強化することも重要です。
  • Appleのプライバシー重視の姿勢:Appleは近年、プライバシー保護に注力しており、その傾向は今後ますます強まると考えられます。これを踏まえ、データの収集・活用は慎重に行い、ユーザーの同意と透明性を最優先にすべきです。ファーストパーティーデータの活用を軸に、必要最低限のデータで最大限の価値を生み出す戦略が求められます。
  • メールは顧客体験の一部にすぎない:顧客との接点はメールだけではありません。アプリ内メッセージ、プッシュ通知、SMSなど、複数のチャネルを活用することで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。オーディエンスに応じて最適なチャネルを選び、メールと組み合わせて一貫したメッセージを届けましょう。また、クロスチャネルメッセージング戦略でソーシャルメディアを活用してメール購読の促進やエンゲージメントの強化を図るのも有効なアプローチです。

読者の立場で考えることの重要性

メールの受信トレイに届くかどうかは、受信者のエンゲージメント(反応や行動)に大きく左右されます。 だからこそ、マーケターは常に読者の立場からメール戦略を見直し、「役に立つ」「読みやすい」「興味を引く」メッセージを送ることが大切です。もしあなたのメールが読者の生活に価値をもたらすものなら、今後もAppleの最新のメールアプリの変更があったとしても、受信トレイでしっかり成果を出せるでしょう。

「どこから手を付ければいいか分からない」という方は、自分が日々受け取っているマーケティングメールを振り返ってみましょう。 どんなメールにワクワクしますか?どんなメールだと、すぐに「配信停止」ボタンを押したくなりますか?

読者からこれまでに得られたフィードバックもヒントになります。反応が良かったコンテンツを分析し、同じような価値を提供し続けることが鍵です。

迷った時には、直接聞いてみるのも手です。

  • 登録時に希望する内容や頻度を聞く
  • メール内に「配信設定」ページへのリンクを用意する
  • 定期的にアンケートや意見募集を行う

これらを通して得られるクリックや返信は、送信者の信頼性を高める大きな要素になります。読者からのフィードバックは、あなたのメールマーケティングを成長させる「ギフト」なのです。iOS 18で導入されたAppleの新機能は、読者視点でメールを設計・配信しているマーケターにとっては、そこまで大きな影響はありません。 常に「読者が求めているもの」を優先し、有益で魅力的なコンテンツを届けることが、これからのメールマーケティング成功のカギです。

メールマーケティングをもっと活用したい方へ

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