1,000名がニューヨークへ集結!Braze最大のグローバルイベント Forge 2023 現地レポート

Published on 2023年11月13日/Last edited on 2023年11月14日/12 min read

1,000名がニューヨークへ集結!Braze最大のグローバルイベント Forge 2023 現地レポート
author
Atsushi Yoshinaga
Growth Engineer

みなさん、こんにちは。Brazeのグロースエンジニアをしている吉永です。日本で City by City Japan 2023 が開催されてから早くも、4ヶ月が経過しますが、ニューヨークで開催されたBraze 最大の年次イベントであるForge 2023 に参加してきましたので、その現地レポートをお送りします!

はじめに私の自己紹介です。吉永をご存知の方は、このセクションを読み飛ばしてください。2021年にBrazeに入社し、当初はオンボーディング担当をするソリューションアーキテクトとして従事後、Brazeでできることの幅広さ、ソリューションの柔軟性やプロダクトの強さ、将来性にどっぷりハマりました。自分の日々の活動を通じて、社内外問わず、Brazeの優れた点を広め、Brazeファンを作り出し、Brazeをもっと知って欲しいと思い、日々、活動をしています。今回は、Forge 2023 の現地訪問レポートです。Brazeがグローバルで開催する最大イベントの熱気を通じて、Brazeの将来性と可能性を感じていただきたいと思います!

外部著名人のインサイト、最新トレンド、事例、トレーニング&認定資格など、多彩なプログラムで参加者を迎える

Forge 2023 は、2023年10月16日-17日の2日ニューヨークで開催され、有料チケットが全て完売!また物理的な会場参加者は速報で900名を超え、100人以上の登壇者がプレゼンテーションやKeynoteで参加するという大規模なイベントです。

セッションは、多種多様で、Brazeを日々利用されている現場の方がすぐに使える知識(どのようにカスタマーライフサイクルに合わせて、効率的かつパーソナライズされたメッセージを送るCanvasを作るか)といった内容から、ソリューションパートナーとの連携事例、コンテンツカードを用いた具体的な成功事例や効果、BIg4のコンサルティングファームが語るマーケティングトレンド、元Apple のマーケティングVPであるOmar Johnsonの基調講演などなど、本当に盛り沢山な内容でした。Braze日本法人からは、3名が実際に現地で参加しましたが、手分けしても手分けし切れないぐらいのセッションがありました。

<登壇者(一部)>

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また会場は、Brazeのニューヨーク本社の近くであるMetropolitan Pavilion(5階建)を一棟貸し切っており、パートナーブース、Braze の認定資格(有料)を無料で受講できるCertification コーナー、ユーザーコミュニティーブース、朝食・昼食を楽しむコーナー、そして、BrazeのCreative Serviceの一つである、Innovation 427の展示がありました。また、所々にチャージスポットやフリードリンク・スナック・椅子や机が置かれており、一日朝から来て、ゆっくりセッションを楽しんで帰ることを意図しているような会場のレイアウトでした。

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テクノロジーの活用で、組織や情報のサイロ化を解消、成功へ繋げる

さて、今回のForge は、「When Technology Goes Right」 をテーマとして掲げていました。CEO Bill の具体的なセッションの中身については、今後公開するオンデマンド配信をご覧いただければと思いますが、 Bill のセッションで印象的だったポイントをまとめます。

  1. テクノロジーが正しく機能しないと何が起きるか?ドローンで写真撮影後、空中でコントロールを失い、ドローンを消失した例に対する問いかけで始まりました)。普段、我々はビジネスの中(特にB2Bのビジネスアプリケーション)において、UIが使いにくかったり、機能の制約条件を仕方のないものとして諦めていませんか?冷静に考えましょう。それは本来的に正しい状態ですか?改めて、テクノロジーが正しく機能していない、その場合のビジネス機会の損失や追加で発生するオペレーションの非効率性について、考える良い機会であると考えられます。
  2. テクノロジーを正しく機能させることで、多くの企業が部門や組織のサイロ化を解消し、ビジネスそのものを変化させてきました。その事実として、今回のForge で登壇するようなマーケターと呼ばれる仕事は10年前には存在しないような役割と言えます。例えば、ライフサイクルマーケティングマネージャなどはその最たる例と言えます。部署間の個別最適化による顧客起点のCXの欠落を乗り越え、今まさに活躍の場が存在するのはテクノロジーを正しく機能させ、ビジネスを変革させた組織、人であると言えます。

2点目に関しては、Bill は特にディズニーブランドの変化を強調していました。「ディズニーは、数十年前から素晴らしいブランドであり、会場にいる全ての人が幼少期から体験するブランドです。ところが、そのほぼ全てのコンテンツは、仲介業者を介して配信、提供されており、実はディズニー自体は、顧客接点をほとんど持てていませんでした。そこからの躍進がこのディズニーの直近の10年です。Disney+のようなストリーミングサービスを立ち上げ、最新テクノロジーを用いて、ファーストパーティーデータを収集、顧客接点の強化に注目し、ビジネスを加速させ、ブランドを強化し、顧客エンゲージメント向上に成功している。」

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「ライフサイクルマーケティング」と「クリエイティビティとテクノロジーの融合」が成功の鍵

メインスピーカーのセッションの終了後は、Stage1-3+パートナーセッションで個別に興味のあるセッションに参加する方式です。このレポートでは、文量の都合で個々のセッションをカバーしきれないため、割愛しますが、印象的だったいくつかのキーワードをまとめます。

  1. 「ライフサイクルマーケティング」このキーワードが頻繁に語られました。パーソナライズという言葉から想起する内容の多くは、顧客の静的な属性情報に基づいたコミュニケーションと捉えがちですが、ユーザーの行動状態に合わせて、適切なメッセージを送る必要、という点が当然のものとして、ユースケースで語られていました。例えば、オンボーディングフェーズなのか、アクティブユーザーなのか、離脱気味のユーザーなのかによって、個々のユーザーのエンゲージメント状態に応じたシナリオを起動、そのライフサイクルのシナリオの中で、属性情報に応じてパーソナライズメッセージを展開していく。
  2. クリエイティブとテクノロジーは融合する必要がある。一部のセッションでは、Mad Tech (Mar Tech + Ad Tech)という言葉が印象的で、斬新な広告やCM を一方的に放ち、ブランドイメージの向上を狙う時代は終焉を迎え、それらをテクノロジーで計測できるものにする。また計測だけでなく、顧客に印象を残す体験やメッセージを提供するには、テクノロジーなしに成り立たない。だからこそ、クリエイティブはクリエイティブチームが、テックはテックテームが、という分断化、サイロ化された考え方でなく、双方がコラボレーションすることで、更なる次元のクリエイティブの発想に繋げ、ブランドを際立たせ、顧客とのエンゲージメントを高めることができる。

次世代のマーケターを讃える、2023 Braze Torchie アワード

日本でも年末にBonfireという ユーザー会があり、その成果を讃えるアワードがありますが、Forge 2023では、ユーザー、およびパートナー企業を表彰するTorchie Awards が発表されました。

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各賞を受賞した企業は以下の通りです。

  • Rising Marketing Star(マーケター賞): Samara Halperin, Lifecycle Marketing Associate for Talkspace
  • Marketing Leader of the Year(マーケケティングリーダー賞): Christine Miller, Senior Director,Global CRM Operations for Warner Bros. Discovery
  • Bonfire Community Leader(ユーザーコミュニティーリーダー賞): Kristijan Arsov, Lifecycle Marketing Manager for Lifesum
  • Collaborative Team of the Year(チームコラボレーション賞): Grubhub
  • Creative Excellence Award(クリエイティブエクセレンス賞): Peacock
  • Campaign of the Year(マーケティングキャンペーン賞): Canva
  • Technology Partner of the Year(テクノロジーパートナー賞): Census
  • Solutions Partner of the Year(ソリューションパートナー賞): Ogilvy

メインステージでは、「どのようにリスクを取り、学習をやめないで向上心を持ち続けることができるか - How to Take Risks, Aim Higher, and Never Stop Learning」をテーマに弊社 Chief Business OfficerのAsthaと、2016年にミュージカルでトニー賞・グラミー賞を取得したLeslie Odom Jr氏が対談を行いました。マーケティング領域に閉じず、いくつかのセッションでは、マーケターのキャリア形成についても言及があったのは印象的でした。

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最新のAIプロダクトでコラボレーションを加速する

最後に、Braze社員としても期待が高まるのは、CTO Jon によるProduct ShowCase です。今回のプロダクトリリースの詳細な内容は、別途、プロダクトリリースの記事や、随時開催予定のウェビナーやユーザー会に譲りますが、印象的だった点についてコメントをまとめ、このレポートの終わりたいと思います。

  1. プロダクトチーム・データチーム・マーケターがBrazeを中心にコラボレーションを加速、組織の壁を取り除くための機能開発を進めている。昨年冬のリリースでもあった通り、DWH からの直接のデータ連携は、データチームがBrazeに直接関われるようになることを意味します。今回は、Feature Flag といったプロダクトチームがマーケティングチームと一体となり、カスタマーエンゲージメントを高めていくためのPDCAをより回しやすくなるための機能追加がされています。
  2. コラボレーションを加速させるための機能を構築している。これは今回の製品リリースで特段、言及があった機能ではありませんが、Canvas 内にコメントを残せる機能や、権限管理の機能が拡充され、より多くのメンバーがBrazeを利用し、顧客体験を向上させる取り組みに参加しやすくなるような機能開発が進んでいます。
  3. 明確に価値のある形でAI 機能が追加されている。Brazeは、2015年より機械学習を用いた機能開発を始めていますが、いつも大事にされていると感じるのは、ユーザーに明確な価値をもたらすことができるかどうか、という視点です。そのため、世に溢れてしまっている、なんとなくいい感じにしてくれる、という精度のものではなく、特定のオペレーションや特定のシーンに特化した機能開発がされており、着実に、マーケターやBraze を操作してメッセージを送る方々の業務を革新していくと思える内容になっています。(詳しくは Sage AI の記事を参考)
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まとめ

  • テクノロジー領域では、10年先を行くと呼ばれるUS ですが、独り歩きしがちなパーソナライズという言葉以前に、前提として、ユーザーのライフサイクル(サービスに対する態度・状態)に合わせた適切なシナリオを設計すべき、という考えが浸透しているのは、発見でした。今後、日本でもユーザーライフサイクルマーケティングという考え方を提唱していきたいと思います。
  • US でも電通・博報堂に相当する広告・クリエイティブエージェンシーがBrazeのパートナーとなっており、多くの人がファーストパーティーデータを活用したビジネス変革や、クリエイティブとテクノロジーの融合がこれからのトレンドであると語っていた点は、注目です。日本では、まだデジタルマーケティングという言葉は、マーケティングの中の狭い一部分であるという考え方が主流で、広義の意味でのブランディングの中では、重要な役割を担っているという機運はまだありません。しかし、今回語られたDisney+のようなビジネス変革の事例や、バーガーキングの競合ブランドからお客様を奪う whopper detour のようなデジタル技術をふんだんに活用したクリエイティビティー溢れる施策が、今後、日本でも、少しずつ始まることを期待しています!また、そのためにBrazeを通じて、テクノロジーでクリエイティビティを解放する例をお客様と一緒に作っていきたいと思います!

以上、Forge 2023 ニューヨーク現地レポートでした。英語でのプレゼンテーションの内容に関しては、主観的な理解も含めた内容になっているものが含まれるため、内容をしっかり聞きたいという場合は、オンデマンドで配信予定のセッション(日本語字幕つき)を視聴いただければと思います。

ご一読いただき、ありがとうございました。

吉永敦

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