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Looop、電気料金シミュレーション結果の個別配信で解約率を大幅抑制 - 3ヶ月のオンボーディングで実現

Use Caseエンゲージメントリテンション
Industryリテール & eコマース
Productキャンバスアプリ内メッセージコンテンツカードメール
Looop、電気料金シミュレーション結果の個別配信で解約率を大幅抑制 - 3ヶ月のオンボーディングで実現
課題

世間で電気料金の値上げが一般化している昨今、ポジティブな改定であっても改悪と勘違いしたり価値が伝わらずに誤解での解約がおきかねない中、当社の電気料金プラン改定の内容を、お客様ごとの改定前後の電気料金比較1円単位までパーソナライズして情報提供する必要がありました。しかし、従来の社内システムではデータ構造がが複雑であることや、配信システムが整っていないことによる人為的なミスも懸念されたため、このままではすべてのお客様に同じ内容を一斉配信せざる得ないという状況でした。

戦略

「メール」「アプリ内メッセージ」「コンテンツカード」の3つのチャネルを活用し、料金プラン改定に伴う電気料金シミュレーションの結果を、お客様一人ひとりのご利用状況を踏まえた1円単位で配信しました。

成果

パーソナライズされた情報提供により、情報が届かない、あるいは誤解してしまうということを最大限回避することができました。その結果として解約率は当初想定の半分以下に抑えられました。また、「一律的なコミュニケーションは解約リスクを高める」という重要な学びがありました。社内からは、今回の施策の結果だけで「3年契約分のBrazeの利用料金を回収できた」という声も上がっています。

company
INDUSTRY
PRODUCTS USED
指標による成果

半分以下

予想解約率からの低下幅

事業の特長についてお聞かせください。

小林氏:株式会社Looopは、「エネルギーフリー社会の実現」をビジョンに掲げ、再生可能エネルギーによる電力サービスを幅広く展開しています。具体的には、「つくる」「コントロールする」「届ける」という全プロセスに携わっています。2022年12月からは、市場連動型プラン「スマートタイムONE」を提供しており、30分ごとに市場価格に連動して電気料金が変動するユニークなプランです。例えば、太陽光発電量が多く市場価格が下がりやすい日中に電力をまとめて使用し、需要が増えて市場価格が上がりやすい夕方は電力使用を控える、といった使い方が可能です。おかげさまで、同プランは独立系の新電力会社(注1)としては最大級の顧客数(注2)を誇っています。

注1:上場企業の新電力事業部門、他社の子会社、関連会社又は関係会社のいずれにも該当しない形で設立された新電力事業者

注2:電力需要実績(出典:経済産業省資源エネルギー庁「電力調査統計>電力需要実績>低圧計」より[2024年7月~12月公表実績より当社調べ])

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マーケティング本部 本部長 小林 克明氏

Braze導入前はどのようなコミュニケーションを取られていたのでしょうか。

舟久保氏:導入前は基本的に、すべてのお客様に対して同じメッセージや通知を一斉配信していました。例えば、「スマートタイムONE」の電気料金について、「今、電力単価が安くなっています」「電力単価が高くなっているので、電気を使う時間帯をずらしましょう」といった内容の通知です。しかし、お客様の個々のニーズやライフスタイルを考慮しない一斉配信では、「今が安いと言われても外出中だ」「高くなっていると言われても、今使うしかない」といった、意図しない不満や誤解を招く可能性がありました。

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マーケティング部 CXプラットフォーム課 課長 舟久保 拓哉氏

以前からパーソナライズされたコミュニケーションについて検討されていましたか。

清宮氏:はい、検討していました。しかし、社内のデータベース構造が複雑であることや、人為的なミスによる個人情報漏えいのリスクなどを懸念し、実際にはすべてのお客様に対し、同一内容のコミュニケーションしか取ることができませんでした。

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マーケティング本部 CXプラットフォーム部 CXプラットフォーム課 清宮 理沙氏

Brazeの導入背景には「スマートタイムONE」の存在があったのですね。

舟久保氏:2025年4月からの「スマートタイムONE」の料金プラン改定にあたり、「お客さま1人ひとりの利用状況に応じた電気料金のシミュレーション結果をお知らせしたい」と考え、Brazeを導入しました。「スマートタイムONE」は30分ごとに料金が変動するため、お客様ごとにニーズが大きく異なるサービスです。それに加え、今回の料金プラン改定は、多くのお客さまがこれまでよりも電気代が安くなるという内容でした。そのため、すべてのお客様に同じ内容を一斉告知しても、自分事として捉えてもらえず、料金改定の意図やメリットが十分に伝わりません。最悪の場合、正しく理解されないまま解約されてしまう可能性もあります。そこで、パーソナライズされたコミュニケーションが不可欠だと考えました。

中山氏:「スマートタイムONE」の電気料金を確認するために、当社アプリのアクティブ率は一般的なアプリに比べて高い傾向にあります。Brazeを活用したパーソナライズなコミュニケーションをすれば、アプリ上での顧客接点をより強化できると期待しました。

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マーケティング本部 CXプラットフォーム部 CXプラットフォーム課 中山 みずほ氏

ツール選定において、特に重視された点は?

小林氏:「スマートタイムONE」の料金改定に関する告知は、アプリでも配信する予定でした。そのため、アプリ向けの機能が充実していることが必須条件でした。また、ツールは導入して終わりではなく、導入後も自社内でPDCAサイクルを回しながら運用し続ける必要があるため、簡易な操作性も重視しました。実際にBraze含め検討したツールは、デモ操作を通して、非エンジニアでも抵抗感なく操作できるかを十分に検討しました。この2点を高いレベルで満たしていたのがBrazeでした。

Braze伊藤:私たちも、導入後の活用が最も重要であると考えています。そのため、Brazeは非エンジニアにも使いやすい設計を特徴としています。例えば、専門知識が必要なSQLの記述が不要で、容易かつ迅速に顧客セグメントの抽出からパーソナライズされた配信までを完結できます。Brazeの製品思想がLooop様のニーズに合致し、大変嬉しく思います。

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Braze株式会社 カスタマーサービス本部 サービスデリバリー部 シニア ソリューションズ アーキテクト 伊藤 真央

Looop様はBrazeのオンボーディングに非常に積極的に取り組んでくださいましたね。

舟久保氏:今回のオンボーディングでは、Brazeさんやベンダー様、アプリ開発会社様などと密に連携し、Brazeの運用環境を構築していきました。当社では、やりたいことが明確であったため、Brazeさんへは「○○を実現することは可能ですか?実現できる方法があれば、たとえ難易度が高くとも教えてください」と、技術的な質問を数多くさせていただきました。例えば、電気料金シミュレーション結果をお届けするための「あなた宛のお知らせ」というアプリ内のお知らせ受信ボックスに関する実装方法について相談させていただいた際も、直接該当する機能はないものの、いくつかの機能を組み合わせた、複数の実現可能なプランをご提案いただき、結果的に最適な実装ができたと考えています。

Braze山田:Looop様は当社だけでなく、ベンダー様やアプリ開発会社様ともそれぞれの役割に応じて課題の共有や相談を随時行っており、非常にスムーズにオンボーディングを進めていらっしゃいました。また、Liquidを用いた高度なパーソナライズ施策の実装を目指された点も印象的でした。3ヶ月程度という限られたオンボーディング期間で、当社のサポートを最大限に活用して施策を実現されたことは、当社にとっても素晴らしい経験となりました。

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Braze株式会社 カスタマーサービス本部 サービスデリバリー部 シニア カスタマーオンボーディングマネージャー 山田 聖

オンボーディング期間中に実装された施策内容とその効果について教えてください。

小林氏:先ほどお話しした「スマートタイムONE」の料金改定の告知として、1円単位の電気料金シミュレーション結果を、お客様一人ひとりに配信しました。配信チャネルは「メール」「アプリ内メッセージ」「コンテンツカード」の3つです。告知ではお客様の名前を差し込み、「あなただけ」に向けたシミュレーション結果であることを強調しました。

a foreign language advertisement for a company called loop

料金改定の告知メール例

舟久保氏:今回の料金改定では、電気料金が安くなるお客様が大多数であったため、施策を通じて料金改定のメリットをしっかりと伝えることができました。一方で、改定後の料金が高くなってしまうお客様も一部いらっしゃいます。料金改定で不利になるお客様にも、率直に実情をお伝えした上で、お得に使える利用方法などを発信しました。このようなパーソナライズされた告知により、料金改定に伴う解約率は会社予想の半分以下に抑えられました。

清宮氏:たとえ電気料金が高くなる場合でも、1円単位で詳細なシミュレーション結果をお伝えしたことで、お客様も一定の納得感を持っていただけたと思います。また、今回の結果を見て社内からは「今回の施策実施の結果だけでも、3年契約のBrazeのランニングコストをペイできたかも」という声も上がっています。

舟久保氏:今回の施策では、平均的なシミュレーション結果を一律に告知したセグメントが最も解約率が高いという結果になりました。つまり、電気料金が高くなるセグメントよりも、パーソナライズされていないセグメントの方が解約率が高かったのです。画一的なメッセージ配信は解約リスクを高めるということを学びました。解約率は各種経営指標にも直結する重要な指標です。この結果により、経営層もパーソナライズ施策の効果を十分に認識したと考えています。

a group of people are sitting around a table in a conference room .

お客様からはどのような反響がありましたか。

中山氏:料金改定に関して、お客様から非常に心温まる弊社を応援していただくコメントを多数いただきました。パーソナライズされた告知を実施していなければ、これほど多くのコメントをいただくことはなかったと思います。私たちが提供するインフラは、安定的に提供されることが前提のサービスであり、ポジティブなコメントをいただく機会は多くありません。今回寄せられたコメントは私たちにとって非常に嬉しく、社内でも大きな反響がありました。

今後、Brazeをどのように活用していきたいですか。

小林氏:お客様を対象としたオンボーディング施策や、アプリの休眠ユーザーを掘り起こすための施策を実施する方針です。また、当社ウェブサイトなどで電気料金のシミュレーションを行った見込み客に対しても、何らかのアプローチを検討したいと考えています。

清宮氏LP(ランディングページ)の活用も検討しています。具体的には、メールのリンク先やアプリのコンテンツカードの遷移先となるLPを制作し、お問い合わせ数や成約数の向上を図りたいと考えています。LP上のユーザー行動データはBrazeに連携されるため、LPのコンテンツ改善にも役立つはずです。

Braze山田:今回の施策で特に注目された解約率に関しては、例えば「解約予測」の活用が有効かと思います。同機能は、解約リスクスコアを0~100で表示し、解約リスクの高いユーザーを特定するものです。解約が懸念されるお客様に早期にアプローチをすることで、解約率をさらに抑えられる可能性があります。解約予測を含め、Brazeの機能は多岐にわたります。今後もLooop様に最適な機能や活用方法をご提案させていただければと思います。

a group of people are standing in front of a sign that says loop .

オンボーディング期間中、Brazeさんからは施策の実装に向けて多岐にわたるサポートをいただきました。その結果、これまで課題であったパーソナライズされたコミュニケーションを実現し、予想を大幅に上回る解約率の抑制に成功しました。今後はBrazeの機能を活用し、アプリの休眠ユーザーや見込み顧客へのアプローチも実施していく予定です。

Key Takeaways

Looopの成果

料金プラン改定にあたり、Brazeを活用してお客様一人ひとりに1円単位の電気料金シミュレーション結果を配信。お客様一人ひとりに向けた個別告知により、解約率は会社予想の半分以下に抑えることができた。


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