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ディープリンクとはどういう仕組み?種類や活用メリットについて解説

公開 2025年5月08日/更新 2025年5月08日/9 分で確認

ディープリンクとはどういう仕組み?種類や活用メリットについて解説
作成者
Team Braze

ECサイトなどにおいてコンバージョンにいたるまでの離脱率が高い場合、ユーザーが面倒な作業や手間を負担に感じ、途中で操作を断念しているケースが考えられます。そうした課題に対しては、ディープリンクが解決策になるかもしれません。

この記事では、ディープリンクの意味や重要性、仕組みや種類、活用メリットや大手プラットフォームの事例、マーケター向けのおすすめツールなどをご紹介します。

1.ディープリンクとは?

ディープリンクとは、クリックするとモバイルアプリ内の特定コンテンツに直接移動できるリンク形式のことです。例えば、Webブラウザから位置情報を開こうとした時に、地図アプリにて当該位置が開くケースなどが身近な例です。

ディープリンクはかつて、Webサイト内のトップページ以外のページに直接移動するリンクのことを意味していましたが、スマートフォンの浸透と共に、現在ではモバイルユーザー向けの用語として意味が変化しています。

1.1. ディープリンクの重要性

ディープリンクは、ユーザーの負担を削減できる点で優れています。自分でアプリを開いてメニューから特定のコンテンツを探し、さらに詳細項目を確認する……といった労力や無駄な時間をなくし、顧客がワンクリックで目的の項目に移動できるようになります。

ユーザーの可処分時間の取り合いが進むなか、ディープリンクの重要性は今後ますます高まると予想されます。

1.2. ハイパーリンクとの違い

ハイパーリンクとは、クリックすると特定のWebページやコンテンツが開く仕組み全般のことです。

ディープリンクはハイパーリンクの一種に含まれ、ハイパーリンクのうち、モバイルアプリの特定コンテンツへ直接移動できるものがディープリンクと呼ばれます。

2.ディープリンクの仕組みや特徴

ディープリンクは主に2種類の仕組みで提供されています。それぞれの特徴をご紹介します。

2.1. Custom URL Scheme(カスタムURLスキーム)

カスタムURLスキームは、クリックしたユーザーに「このページを“アプリ名”で開きますか?」のような確認を表示し、許可されるとアプリ内のコンテンツへ移動するディープリンクです。次のユニバーサルリンクと比較すると、実装のしやすさで優れています。


2.2. Universal Links(ユニバーサルリンク)

ユニバーサルリンクはカスタムURLスキームとよく似ていますが、ユーザーの許可を必要としない(タップされるとすぐに移動する)点で異なるディープリンクです。ユーザーにシームレスな体験を提供できますが、実装がやや難しく、またiOSでのみ利用できるといった制限があります。

3.ディープリンクの種類

続いて、ディープリンクの種類を見ていきましょう。

3.1. ディープリンク(デフォルトタイプ)

基本となる通常のディープリンクです。アプリをインストールしているユーザーを誘導するためのもので、クリックするとアプリ内の特定コンテンツが直接開かれます。ユーザーが該当アプリをインストールしていない場合にはエラーが表示されます。

3.2.ディファードディープリンク

ディファードディープリンクは、ユーザーが該当アプリをインストールしていない場合にアプリストアなどに誘導できるのが特徴です。デフォルトタイプの進化版にあたります。ただし、実装の難易度は高くなります。

3.3. コンテクスチュアルディープリンク

コンテクスチュアルディープリンクは、リファラーソース(ユーザーがどこのリンクを踏んできたのか)の情報を確認できる形式です。遷移元の情報を参考に適切なメッセージを表示したり、どこの広告からアプリに来てくれているのか、広告効果を測定できたりできます。

4.ディープリンクを活用するメリット

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では、ディープリンクを自社で活用するメリットを確認していきましょう。

4.1. 顧客満足度の向上に繋がる

ディープリンクを導入すると、顧客は必要なコンテンツを直接表示できるようになります。ユーザー視点での無駄や手間が削減されることで、UXや顧客満足度の向上が期待できます。

4.2. コンバージョン率の向上に繋がる

アプリを通じたコンバージョン率を高められるのもディープリンクのメリットです。コンバージョンの獲得では、購入や申し込みの過程におけるユーザーの離脱を防ぐことが重要です。その点、当該コンテンツを直接開けるディープリンクは、この離脱を減らすために重宝します。


4.3.継続的に利用してもらえるようになる

「必要なコンテンツがどこにあるのかわからない」「操作が大変で疲れる」などの理由によりサービスの利用をやめた経験のある方は多いと思います。
ディープリンクを活用すれば、アプリを含む自社サービスの継続率を高める効果が期待できます。

4.4. アプリのダウンロードを促進できる

前述の通り、ディープリンクの種類によってはアプリをインストールしていないユーザーに対してストアページを表示することができます。自社アプリのダウンロードを促進したい時にもディープリンクは有効です。

5.ディープリンクに対応しているプラットフォーム

5.1. Apple

Appleでは、前述のユニバーサルリンクをディープリンクとして提供しています。ユーザーの確認が不要であるほか、セキュリティ面で優れているのが特徴です。

ユニバーサルリンクでは、iOSを通じて、紐付けるサイトとアプリの関係が正常であるか、サーバーに問い合わせてチェックしています。不正アプリによる乗っ取り被害などを防ぎやすい仕組みです。

>>App Search Programming Guide: Support Universal Links

5.2. Google

Googleではいくつかのディープリンクの仕組みを提供していますが、現在はAndroid アプリリンクの利用を推奨しています。ブラウザのGoogle検索結果からはもちろん、Google 検索アプリやGoogleアシスタントからもアプリコンテンツを直接開けます。

Androidアプリリンクが利用可能なOSはAndroidのみです。開発者向けに以下で利用方法が解説されています。

>>Android アプリリンクの処理 | App architecture | Android Developers

5.3. Facebook

Facebook(Meta)のディープリンクはApp Linksの名称で提供されています。各種投稿や広告など、Facebook上の記事からアプリのコンテンツを直接開ける仕組みです。iOSとAndroidのどちらでも利用できます。

>>Android - App Links

>>iOS - App Links

5.4.X(旧Twitter)

XではApp Cardという名前でディープリンクを提供しています。Xへの投稿に画像付きのリンクを付け、そこからアプリの特定コンテンツに直接移動してもらう仕組みです。

App CardはiOSとAndroidのどちらにも対応していますが、モバイルのWeb版からは利用できない(アプリ版のXでのみ利用できる)点に注意が必要です。

>>App Card | Docs | Twitter Developer Platform

6.Brazeを導入してシームレスな体験を提供しよう

マーケター支援ツール「Braze」でも、顧客にシームレスな体験を提供できるディープリンクを用意しています。

Brazeでは、アプリやサイト上に表示できるマーケティングコンテンツの多くにディープリンクの設定が可能です。例えば、自社サイトに「○○時間限定割引オファー」のようなメッセージカードを表示し、そこからアプリ内の申し込みページに直接飛んでもらうなど、ユーザーの購買熱を逃さない仕組みが構築できます。

また、次の事例のように、顧客情報などからユーザーをセグメント化(似た要素を持つ集団に細分化)し、一人ひとりに適切なアプローチを用意できるのもBrazeの強みです。

>>Braze コンテンツカード

>>アプリ内およびWebメッセージ


7.Brazeの事例をご紹介

モバイルゲームメーカーのDots社では、新規ユーザーの獲得とアプリ内課金による収益の向上を目指してBrazeを導入しました。

モバイルゲームの新規ユーザーの獲得施策では、既存のユーザーに不快感を与えないことも重要となります。新規ユーザー限定のキャンペーン情報が既存ユーザーに何度も表示されては、彼らにわずらわしいと思われてしまいます。

そこでDots社は、Brazeのセグメント化機能を活かし、一人ひとりのレベルや進捗情報にあわせたセール情報を表示しました。さらに、ディープリンクによってメッセージから決済ページに直接移動できるようにした結果、全ユーザーのLTVが25%も改善され、自社の総収益も33%向上しています。

>>セグメンテーションの活用によって 高いエンゲージメントとコンバージョンを獲得したトップ企業事例

8.まとめ

ディープリンクはアプリの特定コンテンツに直接移動できるリンク形式のことです。ホーム画面を開き、アプリを開き、コンテンツを探して……といった手順をなくし、ユーザーにシームレスな体験を提供できます。

しかし、ディープリンクはあくまでも道具の一つであり、マーケティングで成果を上げるためには、宣伝内容のパーソナライズ化や魅力的なコンテンツの提供が重要です。それらを包括的にサポートするBrazeの活用も併せて、ぜひご検討ください。

>>Brazeへのお問い合わせはこちら

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