NPS®(ネット・プロモーター・スコア)を活用するには-顧客満足度との違いやメリットも解説

Published on 2023年10月02日/Last edited on 2023年10月03日/9 min read

NPS®(ネット・プロモーター・スコア)を活用するには-顧客満足度との違いやメリットも解説
AUTHOR
Team Braze

安定した収益を確保するには、顧客に継続的な購買行動を促しリピーターになってもらうことが重要です。また、顧客がリピーター化する可能性を探るには、顧客満足度に加えて顧客ロイヤルティを把握することが有効です。

ここでは、顧客ロイヤルティを把握するために有効な指標である NPS®️ について解説します。

1. NPS®(ネット・プロモーター・スコア)とは

NPS®️(ネット・プロモーター・スコア)とは、顧客ロイヤルティを測る代表的な指標です。

顧客ロイヤルティとは、顧客が商品やサービスのブランドや提供する企業に対して抱く信頼や愛着を指します。NPS®️は、そのブランドの商品やサービスを、知人や友人にどの程度勧めたいかを数値で表したものです。

顧客ロイヤルティについてさらに知りたい場合は、こちらの記事もご参照ください。

>>顧客ロイヤルティの重要性とは?向上させるメリットや顧客満足度との違いについて解説

2. 顧客満足度との違い

顧客満足度とは、個々の商品やサービスに対する満足度を示すものです。一方、顧客ロイヤルティとは、商品やサービスを展開するブランド全体や、それを提供する企業に対する信頼や愛着のことを指します。顧客満足度の高い商品があったとしても、そのブランドや企業に対する顧客ロイヤルティが必ずしも高くなるというわけではありません。

NPS®️は顧客ロイヤルティの指標です。リピート率を向上させるには、顧客満足度よりも顧客ロイヤルティを把握する必要があるでしょう。

3. eNPS℠との違い

NPS®️と似た用語に、eNPS℠(エンプロイー・ネット・プロモーター・スコア)があります。eNPS℠は顧客向けの NPS®️を従業員のエンゲージメント測定に転用したもので、今の職場を知人や友人にどの程度勧めたいかを数値化した指標です。

eNPS℠で把握する従業員エンゲージメントとは、職場や仕事、自社に対する信頼や愛着を意味します。eNPS℠が高い従業員や職場は、職場への貢献意欲が旺盛で、熱意を持って仕事に取り組んでいると考えることができます。

4. NPS®(ネット・プロモーター・スコア)の計算方法

NPS®️はシンプルな計算式によって導き出すことができます。

まず、NPS®️のアンケートとして、「親しい知人や友人に、対象となる企業やブランドをどの程度勧めますか?」と質問し、0点から10点の11段階(数字が大きいほど強く勧める)で回答してもらいます。回答のスコアによって推奨者・中立者・批判者に分類し、推奨者率から批判者率を引いた数値を NPS®️とします。

回答のスコア

分類

9点~10点

推奨者

7点~8点

中立者

0点~6点

批判者

例えば、回答者総数 200人のうち、推奨者数 50人、批判者数 80人の場合、NPS®️ は ( 50 / 200 ) x 100 – ( 80 /200 ) x 100 = −15 となります。

5. NPS®(ネット・プロモーター・スコア)の活用メリット

image

続いて、NPS®️の活用メリットを3つご紹介します。

5.1. 調査方法がシンプルで運用・管理がしやすい

NPS®️は調査方法がシンプルで、分析のための専門知識を必要としません。導入しやすく、すぐに運用を始められ、スコアによってわかりやすい管理ができることが大きなメリットです。

5.2. 同業他社・同業界での立ち位置を把握しやすい

NPS®️は企業で広く採用されていることから、業界平均値が数多く公表されています。自社のNPS®️が取得できれば、同業界における自社の立ち位置を即座に把握できます。

さらに自社のNPS®️アンケートで他社の推奨度も合わせて回答を得られれば、同業他社と自社とのNPS®️比較も可能となります。

5.3. 共通指標として活用できる

NPS®️はシンプルでわかりやすい指標であるため、社内の共通指標・共通言語として活用しやすいメリットがあります。顧客を推奨者・中立者・批判者の3つの顧客ロイヤルティのレベルに分類することや、NPS®️を時系列に比較して改善の効果を確認することも可能です。

6. NPS®(ネット・プロモーター・スコア)を活用する際の注意点

NPS®を活用する際には、いくつかの注意点があります。

まず、NPS®️アンケートでは、質問文の微妙な言い回しの違いで回答が変わることがあります。測定したNPS®️の結果を比較したい場合には、同じ質問文でアンケートを実施しなければ正確な結果は得られません。

また、NPS®️はシンプルでわかりやすい反面、スコアの裏に隠れた感情や意図を知ることはできません。そこで、NPS®️スコアを選択した理由もあわせて回答する設問を用意するのもよいでしょう。

なお、日本におけるNPS®️スコアはマイナスになりがちであることを念頭に置いておきましょう。その理由は、回答で「どちらでもない(5点)」を選ぶ人が多いためと考えられています。

NPS®️の活用において重要なことは、調査結果を次のアクションに繋げることです。NPS®️によって顧客のロイヤルティのレベルを把握したうえで、改善や新しい施策へと進めていくことが肝心です。

7. 顧客ロイヤルティを高めるためには Braze の活用がおすすめ

顧客ロイヤルティの向上を図るには、NPS®以外にもさまざまな指標があり、企業によっても適切な指標は異なります。

より適切に顧客ロイヤルティの向上を検討したい場合は、ツールの活用も有効です。そこでお勧めしたいのが、カスタマーエンゲージメントプラットフォーム(CEP)のBrazeです。

7.1. Braze を活用するメリット

顧客ロイヤルティを高めるためには、NPS®️を含むさまざまな指標で顧客ロイヤルティを把握し、機会を逃さずマーケティング施策へと繋げることが重要です。そのためには、複数のタッチポイントから顧客に関するデータを収集し、即座に分析を行い、適切なチャネルでタイムリーなメッセージを顧客へ送る仕組みが欠かせません。

Brazeでは、すべての顧客をリアルタイムで把握し、直感的に動かせるドラッグ&ドロップで、メッセージの作成、カスタマージャーニーの構築、実験を、すべて一元化されたプラットフォーム上で行うことができます。さらに、顧客一人ひとりの状況に合わせた最適なキャンペーンを、適切なチャネルで提供できます。

Brazeを活用して印象的な顧客体験を提供し、顧客との関係性を自然に深めていくことで、顧客のロイヤルティの向上が期待できます。

カスタマーエンゲージメントで一人ひとりに最適化されたブランド体験を提供する| 顧客エンゲージメントプラットフォームBraze(ブレイズ)

7.2. 事例紹介

Brazeを活用して顧客ロイヤルティを向上させた事例をご紹介します。

アメリカのテクノロジー企業IBMでは、Brazeを活用したライフサイクルメッセージ配信で、コンバージョンを最大5倍まで向上させることに成功しました。

クラウドコンピューティング分野の主要プレーヤーであるIBMは、顧客の潜在ニーズを探り出し、効果的なメッセージ配信を行うためにBrazeを採用。Braze+Segment+Amplitudeを組み合わせることで、データ活用と深い分析を誰もが利用できるようにしました。例えば、利用開始やアカウント設定などの主要なポイントで、ターゲットとタイミングに合わせた内容のメールやメッセージ配信を行っています。

また、ページの閲覧やサービスの新規作成、課金サービス開始などをコンバージョンイベントとして設定し、分析・評価を行なっています。パワーユーザーと休眠ユーザーは自動的に分類し、パーソナライズしたメッセージを届けています。

さらに、カゴ落ちとの関連を示す一連の行動を多角的に分析し、途中で離脱したグループに属するユーザーに的を絞ったキャンペーンを行うことで、特に収益性の高い事業の一つにおいてカートリカバリーの促進に成功しました。

IBM Cloudと関連サービスについてのコンバージョン率・製品導入率・課金サービス使用状況を評価することで、ユーザーごとに異なるIBM Cloud顧客体験を、カスタマージャーニーの最初から最後まで提供できるようになりました。

Braze+Segment+Amplitudeの連携によって、IBMはより効果的なマーケティングキャンペーンの推進が可能となったのです。

IBMが、Brazeを活用したライフサイクルメッセージ配信で コンバージョンを最大5倍にアップ

8. まとめ

自社の商品・サービスやブランドのリピーター・ファンを増やしたいならば、まずはわかりやすくシンプルに管理できるNPS®️の測定から始めてみませんか。

NPS®️に加え、多様なデータの収集・分析を行ない、適切な対象にタイムリーなマーケティング施策の実現へとつなげるには、カスタマーエンゲージメントプラットフォーム(CEP)、Brazeの活用もあわせてご検討ください。

※NPS®はベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標又はサービスマークです。

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